第47話 思い掛けないfloat

「 思い掛けないfloat 」


無理やり押し込もうとしたんだけれど無理だ

 った

押し返すちからがあまりに強くて

それは想像を超えていて(自分の身の軽さは

 棚にあげて)

押し込もうとするこちらの顔を

正面から押し返すもんだから

手入れした高い鼻が潰れ

息もできないじゃないか

柔らかい目蓋も閉じて

おかげさまでいまは悠々とあなたのうえを旅

 している(これは謝意を込めた嫌味です)

ほんのすこしだけ

あなたの膨大な容積からしたらまったくもっ

 てほんの少しだけ

あなたを凹ませて

旅をしている(痛くも痒くもない?影響が小

 さ過ぎて気が付かない?でも結果的にこち

 らとしては新発見につながって心安らかに

 満足しているんです、大海原的には)

あなたの上の世界から風のご褒美を受け続け

 ている

きょうもいい天気です

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