第7話 カゼの粒子 紙ひこうき

「 カゼの粒子 紙ひこうき 」


折り紙を折って 青い紙ひこうきを作って

机の窓からその紙ひこうきを空に投げる


紙ひこうきは

空のなかの一点となって

真っ直ぐ直線で飛んでいくはずだったが

青い背をみせて 左に旋回して戻ってきてし

 まった


紙ひこうきを旋回させたものはカゼ?

流れてきた何億という カゼの粒子?

紙ひこうきはそれからずっと

机の上で空を見つめている


日々ガラスを通過して降ってくる

何億という光りの粒子

打たれ続けていくことは

粒子に打たれ続けていくことは

辛くないこと?

少しずつ赤くなっていく紙ひこうき

打たれ続けていくことは再生できないものに

 とっては辛いこと

青色は紫に変色し始めている


裏面も少しずつ黄ばみ始めていて パサパサ

 になっている


みずみずしいうちに空の彼方に飛んでいく

紙ひこうき

せめて青いピンで止めてあげて

永遠の壁いっぱいに飛翔させてあげる


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