第4話 ミートミート

「 ミートミート 」


食欲が湧くことは大切なことで

大切なことは学校で学ぶことではなかった

父さんも母さんも姉さんですら肉を見ると視

 線を外さなくなり

それは黙っているしかなく学校の話しもでき

 なくてフォークとナイフとをカチャカチャ

 使って学習していくほかなかった

それでも唾液はどんどん出てきて

たぶん胃袋では酸が分泌されていただろう

からだも脳みそも満足していたんじゃなかろ

 うか


生きろ生きろってうるさいな

毎日毎日耳の内側から連呼する

何だ

ミートミートって

ミートが無けりゃ生きていけないって

嘘だ野菜ばかり食っている人もいる

父さんも母さんも姉さんも担任の先生ですら

窓を見ながら肉を食べていたじゃないか

屠殺の現場を知らない人たちは

それは自分のほか何億?

でっかいスーパーには向こうが見えなくなる

 ほど一直線にスーパー並べられた肉ら

肉の断面は刃物で切ったものだった

脂は網のような線で入っていた

食べるだけで済む肉を

ミートミート

刃物で切ってフライパンで炒めて

焦げていくうちに蛋白質は固くなって

もうこれ以上こねくり回さないでくれ

と言われて肉から


ミートミートって

ミートが無けりゃ生きていけないって

食欲が湧くことは大切なことだって

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