第2話 エネルギーについて

「 エネルギーについて 」


おい待ってくれそっちへ行くな 見えなくなってしまうだろう そこに隠れるな 境がなくなる 見分けがつかないじゃないか


あなたは何を見ているの わたしはここにいるわ 目が悪いのかしら ご病気かしら 笑ってしまうわ わたしを目で追いかけること自体が無駄なのよ 僅かな周波数しかとらえられないことがまだわからないの


あなたが欲しい わたしには必要なんだ 行かないでくれ 癒されたい あなたの存在でひかりで 生まれ続けてきたいのちの要求を受け止めてくれないか


そうではないわ わたしはいつもあなたの周りにいる あなたの根源を支えている

あなたは 見えるもの 触れるもの 聞こえるもの 振動するものしかわかってくれないけれど あなたを通り抜けることもできるわたしにあなたは気が付かない


なあ 世のなかは曲線ですべて出来ていると教えてくれたのはあなただったよな

直線というのは幻想で 目で見て 耳で聞いて それはわたしたちの幻想にすぎないと でも わたしたちは正確に曲線を引くことすらできないんだ


いいじゃないの わたしはいつもあなたのそばにいて あなたのなかも通過して

あなたを支えるわ あなたがこれから 見ようと見まいと それはわたしの等しい母性なんだわ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る