第10話 東京地獄
東京は地獄だ。久しぶりに通勤ラッシュの電車に乗り、つくづくそう思った。
私の職場が東京から横浜に移って半年。かつて1時間半かかっていた通勤時間は30分に。今では毎日ガラガラの電車に座り、ストレスフリーで通勤している。
今日は虎ノ門で用事を済ませ、帰宅ラッシュの銀座線と東海道線に乗った。見知らぬ人がゼロ距離に立つだけでも相当なストレスだが、さらに痴漢と間違われないように気を使うというオプションがつく。これはもう壮絶な修行だ。こんな状態で毎日通勤していたことが信じられない。確実に寿命が縮む。
自己啓発本で、「多少家賃が高くても、あるいは部屋のグレードを下げてでも、可能な限り会社の近くに住むべし。」と書いてあるのを何度か目にした。それを満員電車の中で読んでいた頃は「意識高いなあ。」と斜に構えていたが、今は違う。是非そうすべきである。確実に人生が変わる、間違いなくいい方向へ。
東京では電車に飛び込んで死ぬ人がとても多い。その理由がよく分かった。おそらく満員電車がなければ救われた命も相当数あったはずだ。本気でそう思う。ここで削られる心のエネルギーはかなりの量である。東京にオフィスを構える会社は、時差通勤や自宅勤務について本気で考えてほしい。これは役所の戯言ではなく、我々サラリーマンの切実な要望である。
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