第3話 会社をサボる、ズル休みする
久しぶりに会社をサボった。正確には、前の晩に全然眠れず(眠る努力もしていないが)、当日朝に体調不良で年休を取った。以前は課長に電話していたが、最近はメールで済ませている。課長もこんな連絡で手間を取られるよりは、メールのほうが楽だろう。
こういう休み方をすると、後ろめたさから周囲の目を気にしがちだ。ただどうだろう。今日明日くらいは気にする同僚もいるだろうが、明後日まで話題にする者はいないだろう。いたとしたら、それは執着心の極めて強い変人か、あるいは自分に恋慕する人間くらいだ。だって対外的にはたかが「風邪で休んだ」だけのことだ。
そもそも、「サボった」という表現も適切だろうか。よくズル休みと言われるのは、うつ病まではいかずとも、精神的に少し疲れて休むケースがほとんどだろう。体の風邪と心の風邪、どちらが重篤化するか。働き盛りのサラリーマンにおいて、多くは後者であろう。朝目覚めて「しんどいな。」とか「行きたくないな。」と思ったとき、風邪で休める程度の状況ならば、たまには休んでも良いのでは。
私の職場は客観的に見てホワイトだと思うが、それでも心を病む人がチラホラいる。そうなるのは、漏れなく真面目で手を抜かずに働く人だ。そういう人は、先輩上司に簡単には迎合しない。だから、感情的になりやすいダメ上司には、自分勝手なイライラをぶつけられがちだ。どんなにホワイトな職場でも、こういう上司は必ずいる。上からワッと言葉を浴びせられると、思考が停止して変な汗をかいたりするが、落ち着いてよくよく咀嚼すると、考えなしに口から出ただけの内容も多い。
真面目な人は適当に聞き流すことも苦手なので、もろにダメージを受けやすい。だけど、感情的な言葉をダイレクトに受け取ってはいけない。そんなものは表面上だけ拝聴して、心の中では「また感情的になってるな。」と冷静に眺めておけばいい。慣れてきたら、言葉にフィルターをかけ、必要な部分だけをアドバイスとして切り取れるようになる。
かくいう私も、最近心が疲れ気味だ。ただ、自分の救いは踏ん張る力が弱いことだ。心が潰れる前にしんどくなって休んでしまう。だからこそ、この10年近くうつ病にならずにやってこれた気もする。どこまで踏ん張るか、踏ん張らないか、ちょうどいい塩梅を心がけるだけでも、状況は変わるのではないだろうか。
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