第2話 ビジネスマンの朝

午前5時30分、一度目の目覚め。スマホで時間を確認し、至福の二度寝。


午前7時30分、起床。眠る妻を横目に、ベッドからバスルームへ向かう。シャワーを浴びるこの時間が、一日で一番閃きの多いタイミングだ。ドライヤーをかけ、シェービングと歯磨きを済ませる。スーツに着替えて髪をセットしたら、午前8時10分。朝ドラが終わる前に家を出る。


バス待ちの列を横目に、タクシーへ乗り込む。それほど朝のこの時間は貴重だ。流れる景色を眺めつつ、スマホでニュースをチェックする。


タクシーを降りると早足でオフィスへ。午前8時30分、デスクに到着。

朝の貴重な時間を無駄にしない、最短時間での出社スタイルだ。


ちなみに、我が社の始業は8時ちょうど。よし、いつものように30分の遅刻だ。


モラルよりも睡眠欲を優先し、タクシー代を払うことで罪悪感を弱め、豆腐メンタルの安定を維持する。まさに意識高い系サラリーマンのあるべき姿である。

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