第8話「おやつをやると機嫌を直すもの(そんな単純じゃないニャン)」
「にゃーーん」
「お、どこ行ってたんだよ。ミー。ん?おやつか?しょうがないな。ちょっと待ってね。今出すから」
「にゃーん♪」
俺の足にミーは顔をすり寄ってくる。可愛い。こんな天使みたいな小悪魔にはこうしてやる。
俺は床に荷物を置くとミーにお腹を撫でながら、
「スリスリスリ~。ここが気持ちいいんだろ。いつも喜んでいるんだし。あ、痛い、こら噛むなって」
ミーが俺の手を思いっきり噛んできやがった。触ってて気づいたんだけど、こいつ土で汚れてやがるな。どこ行ってたんだよ。もしかして天井でも登ってたのか?
仕方がないので、俺は荷物に目をやりながら、時計を見る。
「まだ時間はあるか。ミー!今からお風呂でも入るか?おい、逃げるな。汚れていると部屋が汚れる」
ミーを出て掴み、抱き上げる。グルグルグルと音を鳴らす。頭を撫でてやるとプイとミーはそっぽを向いた。
お風呂場まで連れてきたところで、ミーが何をされるかに気付いたようだ。いきなり俺の手から離れるようにもがくミーの姿。逃がさないぞ、このままだと部屋が汚れるんだ。このまま洗ってやる。
俺は右手でミーを持ちながら、シャワーを出した。適温を確認してから、ミーにシャワーを掛けた。ミーは最初は逃げようとしていたが次第に諦めたのか静かになっていった。
そんな俺はミーを思いっきり洗ってやった。ミーは何か言いたそうにずっと俺の方を見ていたが、猫のことだ。気まぐれなんだろう。お風呂が終わったらおやつでもやろう。少しは機嫌を直してくれるだろう。さっき約束したんだしな。
ミーの身体を拭いてやると、ミーをリビングに置いて俺はキッチンに向かい猫用のミルクポールの入った袋を取り出す。
「おーい。ミー、おやつだぞ。ってあれ?なんだ、どこかへ行ったのか?」
リビングに居たはずのミーが居なくなっていた。いつものベットにでも戻ったのだろうか。変に嫌がっていたし、やはり猫は温泉とかの湯が嫌いなのだろうか。
「さてと、ミーが待っている温泉でも向かいますか。おーい、ミー!おやつここに置いとくからな」
部屋中に聞こえるように言った。まあ人間の言葉を理解しているとは思わないが。
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