第6話「私はミィ・シャーロット・クロエと言う名前で、ミィと読んでほしいニャン」
「そんなカッカしてると身体に悪いニャンよ」
俺をあざ笑るかのように、ニヤニヤとしながら言った。こいつはおちょくってるんだろうか。
「おい、お前は何者なんだよ。何でも知ってそうじゃないかよ。詳しく教えろよ」
猫耳少女は「にゃーん」とだけ言い、俺に背を向けた。少女の背筋が俺の気分を妙な気分にさせる。あんまり見ないほうが良い気がする。俺も少女と同じように背を向ける。
「にゃーに背を向けているニャン?まあいいニャン。私はミィ・シャーロット・クロエと言う名前で、ミィと読んでほしいニャン。それにただの魔法使いニャン。ご主人様。それに何でもは知らないニャン。そんなもんニャン。にゃははははは」
ミィと言う猫耳少女はいきなり笑い出した。なんだいきなり笑い出すなんて、失礼ってものだろう。
「違うニャン、ははは、ノミがいたずらして、にゃはははは」
「ノミ?お前清潔じゃないな。早く身体を洗って流せよ。汚いじゃないかよ」
俺は一歩ほど引きながら、ミィをジトーと言う目で見る。するとミィは温泉に頭から浸かると顔だけを出した。
「ご主人様、お願いがあるニャン。以前、ご主人様は身体を洗うのは得意だったはずだニャン。私が言うんだから間違いないニャン」
「間違いだらけだよ。俺は猫ならば洗ったことはあるけれど、女性の身体なんて洗った事なんてないよ」
「それじゃ、仕方ないニャン。髪だけでも洗ってニャン」
「待て待て、今日は止めておこう。それにシャンプーとかも置いてないだろう。今度石鹸とか持ってくるからさ」
「あ、そうニャン、今石鹸がなかったニャン。それじゃ仕方ないニャン」
俺はホッと息を吐きながら、この窮地を乗り切ったとばかりに肩の荷を下ろした。しかし、ミィは僕に聞こえるような声で「ヘタレニャン」とつぶやいた。
俺は立ち尽くしながら、心の中でくそがーとだけ叫んだ。
「それにしてもご主人様ってのは止めてくれよ。俺はお前のご主人ではないだろう?ミーと言う三毛猫ならば飼っているけど、女の子なんて飼ってはないぞ。条例違反だ」
「ニャン……。でもご主人様はご主人様だニャン。いつも世話になってるしニャン」
俺は首を傾げながら、何かの引っかかりを感じながらいると、ふと温泉の周辺が目に入った。
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