第2話 リッチ・ガリの野望
「・・・・・リッチよ、戦況は膠着しているようだな?」
モニターの向こうから禿頭で長身痩躯の将校が語りかける。
「申し訳ございません、閣下。」
リッチと呼ばれた青年が頭を下げる。
禿頭の男は氷菓帝国軍元帥、サイダ・ガリそしてリッチはガリの弟。
ここは惑星シエルにおける氷菓帝国の侵攻作戦総司令部。
リッチ率いる帝国軍は、この惑星の鉱物資源を巡り地球統一政府軍と戦っていた。
「まあ、連中もこの星が欲しくて必死なのだろうお前は良くやっている。」
ソーダがリッチをほめる。
地球側も帝国も双方自分達の占領下で、資源を掘りながら戦っている。
「無理に功を焦ろうとせず現状維持で良い、増援は来月には送ろう。」
ソーダが通信を切る。
「・・・くっ、余裕か!!・・・・見ていろ、私は必ずこの星を手に入れる!!」
リッチは、兄であるサイダの優しさを上位者の余裕と感じていた。
彼の野望は出世し兄を越える事だった、惑星シエルは成り上がりへの足場だ。
このリッチ・ガリの野望が、帝国と地球の戦いに混乱をもたらす事となる。
「・・・・私はのろまな牛ではないぞ兄上、白牛の完成を急がせねば。」
リッチ・ガリ、帝国ではエース級に迫るラクトパイロットでもあった。
彼は現在自分の専用機であるラクト、開発コード「白牛」を製造していた。
「白牛さえ完成すれば、この惑星ともおさらばだ!!」
リッチ・ガリの野望が動き出す。
一方、地球側はと言えば第2基地が帝国軍に襲撃されていた!!
リッチ・ガリ直属のラクト部隊、ホワイトベアーズに猛攻に押されていた。
敵の部隊に基地の敷地内に侵入されたことにより発生した銃撃戦での
ビームの応酬は、周囲に大打撃を与えていた。
「地球のラクトなど、我らの前では紙同然よ!!」
ホワイトベアーズの隊長、キリシマの機体がビームクローを振るい
チョコミントのスーパークールのビームサイズとぶつかり合う!!
スーパークール、ビームサイズを分離させ二丁鎌モードにシフトする。
「・・・・くそ、帝国の熊かっ!!」
二丁鎌と爪の剣戟が繰り広げられる中、スーパークールのビームサイズが
相手の機体を縦に割り、相手の爪がスーパークールの首を落とすと言う形で
スーパークールが勝利を収めた。
ホワイトベアーズの残党は隊長機が撃破された事と、基地の破壊は達成できたと見て
撤退していった。
地球統一政府軍は、第2基地を放棄し転身を決定。
チョコミント達は、新たな戦場へと移動させられる。
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