機動兵装チョコミント
ムネミツ
第1話 青緑の死神
「爽やかに行くぜ、スーパークールッ!!」
俺は、魂を込めてコックピット内で武装デバイスを振るう。
その動きに合わせて、ミントグリーンの人型ロボットが両腕に持った青く光り輝く
大鎌を横薙ぎに一閃させるっ!!
連鎖爆発、俺の愛機スーパークールを囲んでいた人型ロボット達が上半身と下半身
を泣き別れさせて爆散して行く。
ここは惑星シエルの荒涼地帯、俺が所属する地球統一政府軍は絶賛戦争中。
相手は宇宙に移民したコロニー国家、氷菓帝国だ。
どっちの軍隊もライディングアクショントルーパー、面倒だからラクトって呼んでる
ロボット兵器で命のやり取りだ。
この惑星シエルも、俺達と奴らであちこち取り合ってる。
ボサッとしてたら後ろからバッサリ、どいつもこいつもクールじゃねえ!!
「・・・こちらクール1、敵ラクト部隊を殲滅した。」
自分のコールサインで基地へと連絡する。
「確認しましたクール1、帰還してください。」
オペレーターの返事を聞き、俺は愛機のスーパークールを飛ばして自分が所属する
シエル第2基地へと戻る事にした。
大釜を背負い、翼の生えたミントグリーンの騎士が空を飛んでゆく。
滑走路に停まっている牽引用のトレーラーに着陸し格納庫へと運ばれる。
格納庫のハンガーに機体をセット、整備と補給はスタッフに任せる。
「・・・・・はあっ、体脂肪が燃えたぜ。」
ハッチを開けて、汗をだらだら流しながら機体から降りる体にフィットした
パイロットスーツ姿の精悍な体躯の青年。
褐色の肌に、ミントグリーン色のジャーヘッドの頭から汗を流す彼はチョコミント。
階級は中尉、このシエル第2基地のラクト部隊に所属している。
「お帰り、チョコミント♪」
ハッチから降りてきたチョコミントに、優しくタオルとドリンクを渡す整備兵。
彼女の名はチョコレート、褐色のチョコミントよりも黒く美しい肌でグラマラスな
美女だ。
「ありがとう、隊の他の奴らが全員休暇中に出てこられるとはついてないぜ。」
チョコレートに礼を言い自分の部屋へと向かうチョコミント。
自室に入り着の身着のまま洗浄シャワーを浴びる、水でも湯でもなくガスが噴き出る
室内の煙が晴れるとさっぱりしたチョコミントが出てきた。
「・・・・・疲れた、もう寝よう。」
簡素なベッドに倒れこむチョコミント、シャワーのリフレッシュガスの効果で
彼は眠りに落ちた。
チョコミント、彼のあだ名は青緑の死神。
機体の兵装である大鎌で、敵機とパイロットの魂を刈り取る事からついたあだ名。
次に死神が目覚めた時、新たな戦いが起こる。
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