第10話 同居人はアイドル
「う〜ん。まだ眠いですぅ」
「まず脱ぎ癖を直そうか」
青いパジャマや下着が見事に床に落ちていた。
「すみません。いつもお母さんに怒られるんです」
「だろうな」
恥ずかしそうに俯く彼女。
朝食を食べながら彼女はテレビを見ている。
「それで、アイドルは辞めるのか?」
「・・・まだ、決めてません」
(すぐに決められる事じゃないしな)
「そうか、自分の人生だ。ゆっくり決めればいい」
「はい」
困ったような笑顔だった。
「これも可愛いですね。どっちがいいですか」
雑貨屋で楽しそうにカップを選ぶ彼女を見ながら思い出す。
彼女は俺の部屋に住み着く気らしい。荷物は午前中に
運ばれてきた。彼女の両親によって。
両親とも美形だった。娘がこうなるのも無理はない。
「あの、明日香は夫に似て言い出したら聞きません」
「いや君に似たんだろ!あなたの事は娘から聞いてます」
笑顔で握手を求めてきた、力が強い。
「は、はぁ」
「娘の事、よろしくお願いします」
二人揃って頭を下げた。
「いいんですか?」
「はい、あなたの事は娘から3時間聞かされましたから」
普通会って2、3日で娘を任せる親はいない。
どこか疲れた表情の二人がいた。
「そうですか」
「よろしくお願いしますね。優也さん」
親を無視して言う彼女は、確かに二人の子供だった。
「あの、行きたい所があるんです。連れて行ってくれますか?」
生活に必要な物を買った彼女は言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます