ドライバー
林檎酸ちゃん。
ドライバー
朝日が僕らを追い越していった。
それのおかげで気まずさも少しは晴れた気がした。
助手席に座って頬杖をついた君は、退屈そうに窓の外ばかりを見つめていて、僕を見つめていなかった。
最後のドライブは空回りしちゃったし、何よりも君とは別れたくない。
忘れないから 叶うものならこうなる前の時間に巻き戻して欲しい。
街が目覚めに入る前に 君とお別れのキスをしよう。
もつれたこの思いが解けて、飛ばして、ほら消えていくでしょ。
季節が変わり始めるさり気なさで愛を手放せたらどんだけいいことか。
僕の乾いた唇から放った、もしくは君の乾いた唇から放った『さようなら』は斜めに消えた。
嘯いた退屈な毎日を繰り返して
幸せは片手に余計に余る
思いついて洗車をし始めたつもりが、気がつけば周りも暮れて暗くなって行った。
ハンバーグ屋の前に立ち止まって ハンバーグは食べずに1人でサラダバーの具材を食べた。
君との甘い記憶を切り崩すから 足りなくして。
明日が近づいてくる手前で 1人で肩を抱いて寝れはしない
呆れたその姿は 弾けて刻んで 今忘れようと決意した。
思い出を塗り替えていくその曖昧さで 都合よく笑えたらいいのになぁ。
僕のその潤んだ瞼に浮かんだ あの日の横顔が消えた
思い出を塗り替えていく その曖昧さで 都合よく笑えたらどんだけ幸せだと思う?
僕のその潤んだ瞼に浮かんだ あの日の君の退屈そうな横顔が消えてしまった。
君との思い出は甘苦くて酸っぱかったよ。
あの時のドライブも忘れないよ。
さようなら。
ドライバー 林檎酸ちゃん。 @ringosan_Lollipop_1995
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