第33話 Fランク冒険者の日常㉝

「来年もお願いしますね」


そういって、立ち去る彼女達の顔はほくほく顔だった。狩猟捕獲したのは野兎三十九匹、野鹿二十二匹だった。罠も一人で仕掛ける訳ではなく、複数人で分担して行った為、前より時間が掛からず設置することができた。ただ、二百個も設置することには驚きを隠せていなかった。


報酬として三分の二を貰うこととなっていたので、今回の報酬は野兎二十六匹、野鹿十四匹を貰った。貰い過ぎのような気がするが、彼女達の顔と言葉を聞くと満足してくれたと思う。


報酬の肉は商業ギルドで解体してもらった。一人で食べきれる量ではないし、お金に換えても味気ないので、お世話になった人にお肉を渡しに行こうと思った。たくさん渡すことはできなく、気持ち程度になるがお肉を食べて力を付けてほしい。


「さて、どこから行こうかな」


冬の寒さはすぐそこまで来ていた。

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