第13章 Fランク冒険者の日常 その②

第34話 Fランク冒険者の日常㉞

 朝起きると部屋の中がいつもより冷たく感じた。息を吐くと少し白い息が出る。私は布団から出て窓の外を見た。地面を真っ白になっていた。


「昨晩、雪が降ったのか。そりゃあ、寒いわけだ」


 私は暖炉の薪に火をつけて布団の中へ入り、もう少しだけ眠りにつく。


「今日も早いな」

「習慣ですから。外見ましたけど、雪降ったんですね」

「ああ。だから今日の朝はシチューにしてある」

「いいですね」

「今、持ってくる」

「よろしくお願いします」


 シチューは体が温まる。しかも、肉入りだ。やっぱり肉が入っているだけで旨味が全然違う。


「今日も冒険者ギルドに行くのか?」

「はい」

「冒険者も大変だな。でも、お前なら多少は働かなくても食っていけるんだろ?」

「そうですね。でも、何もしないでいるのもちょっとって思ってしまうので、寒い時こそ体を動かさないと鈍ってしまいますし」

「そうか。気を付けて行ってこい」

「ありがとうございます」


 厚手のマントを羽織り冒険者ギルドへ向かった。雪が降ってもいつもと変わらない日常である。

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