第9章 シュークリームと庭の手入れ
第26話 Fランク冒険者の日常㉖
人とぶつかりそうになりながら、私は町の中を急いで駆け抜ける。
「・・・」
息が切れそうになるが歩いている暇はない。1分、1秒がおしい。
「ごめんなさい・・・」
時間が足りない。間に合うのか。
「でも、こんなこと頼めるの・・・」
彼女が、エリエールさんが私を頼ってくれた。
「・・・よろしくお願いします」
だから、私もそれに答える必要がある。
「わかりました。ベストを尽くします」
いや、間に合わせる。
「でも、本当にすごい人気でした。長蛇の列だったので時間には間に合いましたが、今度は売れ切れを心配しました。でも、何とかこのシュークリームっていうものを買えて良かったです。一応、お一人様5個までしか買えませんでしたけど、大丈夫ですか?」
「はい」
エリエールさんが満面の笑みを浮かべていた。
「あのお店って店長さんの気分次第で開けるお店なんです。開いたという情報が入っても仕事があって行けなかったり、行ってみたらもう閉まっていたりとかで、なかなか買えないんですよ。しかも5個も買えているんですよ。本当にラッキーですよ」
いつものよりすごくトークが弾んでいる。こんなに喜んでくれるなら、頑張って走って並んだ甲斐があった。
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