第25話 Fランク冒険者の日常㉕

「☆1の武闘家ユン・・・知らないですね」

「私も沢山の冒険者と関わり合いがありますが・・・知らないです」

「知っている冒険者のカードが出るのって本当にレアなんですね」


「何か言いたそうな顔ね」

「何でもないですよ」

「わかっていると思うけど、ただでさえ知り合いのカードが出ることが珍しい中で、しかも☆4の私のカードを引いているのって、本当に運が良いんだからね。そこのところ、本当にわかってるの?」

「わかってますよ」

「本当の本当に?」

「本当ですよ」

「まぁ、なら良いけど」

 良くわからないけど、納得してくれたみたいでよかった。


「忘れるところでした。依頼の報酬でジャムを作ったんですけど、良かったら食べて下さい」

 私はエリエールさんとネピアに手作りジャムを渡す。果物の甘さを良い感じに引き出してパンに塗っても、紅茶に一匙入れても美味しく頂ける自信作だ。

「ありがとうございます」

「あんた、本当にこういうの得意よね」

「一応ね。でも市販のものには勝てませんよ。あくまでも家庭用です」

「それだけできれば十分よ。ありがとう」

「どういたしまして」

 二人とも喜んでくれて良かった。

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