第8章 パーティ勧誘と手作りジャム

第24話 Fランク冒険者の日常㉔

「一緒にパーティを組んで下さい」

「私、Fランクですし、もっとすごい人たくさんいますよ?それに基本、ソロなので、パーティって組まないんですよね。だから、ごめんなさい」


 私はエリエールさんの前に行き、今日の依頼受領の手続きをする。

「見ましたよ。良い子そうでしたよ?」

「見られちゃいましたね。でも、私は基本ダンジョンとか行かないし、討伐系もそんなにしないので」

「でも、回復術師でしたよ?」

「そうなんですよね。だから珍しいなーって思っていました。回復術師だったら、どこのパーティにも引っ張りだこですからね」

「そうですね。あっ、手続き終わりました。今日も頑張ってくださいね」

「はい」


 果物の収穫を終え、現物支給で報酬を受け取る。条件が少し厳しい依頼ではあったが、前にも受けたことがある依頼で、依頼主も私のことを覚えていた。

 現物支給でも甘味系はとても高価な報酬となる。果物は土地や気候によって大きく左右する為、育てることが難しい。また、収穫については果物が傷つかないように丁寧に扱う必要があり、体力と繊細さが大きく求められる仕事である。冒険者の場合、体力は有り余っているが、繊細な仕事を得意とする人が少ない。

 しかも今回は、商品には出すことが出来ないが、食べるには全然問題ない果物まで報酬として貰った。ジャムでも作ろうかな。

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