第7章 カードショップと商業ギルド

第22話 Fランク冒険者の日常㉒

 町の裏道を歩くと、いつも看板が見えてきた。小さなお店ではあるがそれなりに繁盛しているらしい。お店の店長は良いところに目を付けたと思っている。この町にはあるギルド公認の店舗はこのお店のみとなる。私はいつものように扉を開けて中へ入った。


「店長、お久しぶりです。良いカード、入りました?」

「ぼちぼちだな。お前さんがたまに売ってくれるカード以上の価値をもったものは、なかなか出回らないな」

「そうですか」

「で、今日も売ってくれるのか?」

「はい、先日も同じカードをゲットしたので、良い値で買い取ってくれるなら」

「いやはや、おまえさんの運には脱帽だ。実は最近またプレミア価格が3倍に上がってな。そして、上位顧客がすげえ欲しがっているんだ」

「お幾らくらいですか?」

「おまえさんには、いつもお世話になっているからな。金貨750枚とおまえさんがもっていないカードも付けるよ」

「大丈夫ですか?利益取れているんですか?」

「言っただろ。いつもお世話になっているし、3倍に上がったって。それにうちはギルド公認のお店だからな。まぁ、その辺は気にするな。」

「わかりました。では、☆4の冒険者ギルド受付嬢ネピアを売却します」

「ありがてえ」


 お店を出るといつの間にか昼過ぎになっており、冒険者ギルドに行くには丁度良い時間帯になっていた。

「エリエールさんとネピアを誘って3人でご飯でも食べに行こうかな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る