第6章 Fランク冒険者の日常 その①

第21話 Fランク冒険者の日常㉑

「よう、Fランク~、おまえいつまでFランクやっているんだ?才能ないんじゃないのか?」

 たまには、先輩冒険者にも絡まれる。

「あはは」

「俺はもうすぐCランクだぞ」

「それはすごいですね」

「おまえも俺を見習ってランクアップでもしろよ。まぁ、おまえはFランクがお似合いだけどな」

「ありがとうございます」


「Fランク冒険者だっていいじゃないですか」

「あんた、あんなこと言われて悔しくないの?」

 前者が、エリエールさんで、後者がネピアである。

「まぁ、私にはFランク冒険者があっていますから」

「納得できない、全然納得できない。確かにランクアップだけが全てじゃないけど、頑張ればもう少し上のランクだって狙えるじゃん」

「でも、今の感じだからこそ毎日依頼も達成できて、ネピアにも会うことができるわけだからさ」

「まぁ、あんたがそういうんだったら、それでもいいけど」

 ちょろい。マジでちょろい。ただ、少し不安になる。


「エリエールさん、1枚カード引かせてください」

「あっ、ごめんなさい。さぁ、どうぞ」

「☆4のネピア、本当にこれが当たる確率が高い、何でなんだろう」

「まぁ、あんたと私の・・・」

「ごめん、今の聞き取れなかった」

「なんでもないわよ。なんでもないの」


 いつもと変わらないFランク冒険者の日常である。

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