第18話 Fランク冒険者の日常⑱

「今日は調子が良さそうですね」

「あんた、よくもあんな不味いもの2本も飲ませてくれたわね。しかもあんなにも毒々しい緑色の液体、私初めて見たわ」

 症状が軽い場合は、薄めて飲むと丁度いい苦さで、結構飲みやすくなるのだが、原液のままでも害がある訳ではなく、効果が下がらずに飲めるので良しとしておこう。何だかんだ言ってちゃんと、昨日の夜と今日の朝で1本ずつ薬草液をしっかり飲んでくれたみたいだ。

「効果はどんな感じですか?」

「すこぶる調子がいいわよ」

「それは良かったです」

 ネピアが悔しそうな顔でこっちを睨んでいるが、気づかないふりをしておこう。


「で、今日はどうするの?」

「実はちょっと迷っているんです。たぶんですけど、ネピアみたいな症状がこの町で少し流行りそうな気がしているんですよね。ああいう症状って、ポーションや回復魔法でも治らないじゃないですか。だからって、的確な薬がある訳でもないんですよね」

「でも、私は昨日貰った緑の液で治ったわよ」

「薬草液です。実は私のオリジナル調合だったりします」

「薬草って、そんな変なもの飲ませたの?」

「良薬・・・いえ、良液ですよ。昨日はネピアの症状を診てこれかなって飲んでもらった感じです。一応、その症状に合うものを飲んでもらっていますが、ドクターではないので100%効く保証はないですが、気休め程度にはなるかなって」

「覚えていなさいよ」

「今忘れます」

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