第17話 Fランク冒険者の日常⑰

 冒険者ギルドに戻ると受付にエリエールさんがいなく、ネピアが暇そうな表情で窓の外を眺めていた。彼女の前に行き依頼の報告をする。雨が降っているからか、彼女は気怠そうな表情をして少しだけぼーっとしている気がする。


「☆1の回復術師エリー」

「ふ~ん・・・」

 あきらかにおかしい。自然と私の右手が彼女のおでこに触れる。

「えっ、何?」

 一瞬の出来事に彼女が動揺するが、お構いなしに彼女の体温を測る。少し熱っぽい。医者ではないが、体調が良くないことはわかる。声を掛けようと思ったが、気が付いたら入り口付近まで飛ばされていた。遠くで彼女が何かを叫んでいるように気がするが、起き上るまで10分は掛かると考えて床に倒れながら体が回復するのを待った。


 10分が経ち起き上って彼女の前に行くと、顔を少し赤くして不機嫌そうな顔で、早口で色々言っていたが、声も小さくて正直何を言っているか聞こえなかった。私は懐から薬草液を2本取り出して彼女の前に置いた。すごく嫌そうな顔をしていたが、ちゃんと閉まってくれていたので、今日の夜と明日の朝で1本ずつ飲んでくれるだろう。

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