第13話 Fランク冒険者の日常⑬

 新人のシスターが焼き菓子を入れたバスケットを持ってやってきた。孤児院で配るお菓子は月に1回、教会からの支給となる。孤児院の子供達は毎月このイベントをとても楽しみにしている。


 新人のシスターと一緒に孤児院を回り、お菓子を配る。この仕事はとても大変だと思う。新人のシスターに大変ではないか聞いてみたところ、屈託のない笑顔で大丈夫と返された。あのがめついシスターにもこんな頃があったのかなと考えると、人が大人になるって何だろうと哲学的な気持ちになる。


 孤児院へのお菓子配りが終わり、新人のシスターを教会まで送って今日の依頼が全て終了したので、冒険者ギルドに向けて歩いていた。


「依頼達成おめでとうございます。報酬の銀貨7枚となります。いつもの引きます?」

「はい、お願いします。☆3の探検家ジョン」

「当たりですね」


 トレーディングカードは☆3くらいから知ってる、聞いたことがあるかもレベルの名前になってくる。探検家ジョンはCランクの冒険者であるが世界を探検し、いくつかの著書を出している。


 ☆3のバージョンは今の探検家ジョンの姿のため、髭を生やしたワイルドなおじさんの姿だが、☆2の探検家ジョンは若い頃の姿でイケメンだったと聞く。今の姿を見ても昔はモテていたんだと想像がつく。

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