第2話 Fランク冒険者の日常②
気が付いた時は五人の冒険者を巻き沿いにして床に倒れていた。これも私の日常の一つであり、巻き沿いに合わなかった冒険者は倒れている私達をみて気の毒そうな顔をしてこっちを見ていた。
「どうして私のカードを毎度毎度、エリエールに渡そうとするわけ?」
床に倒れている位置からでも見えそうで見えないスカートを揺らしながら、拳を握りしめて仁王立ちしている受付員のネピアがいた。
「このカード持っているからさ。エリエールさんにだったら、1枚くらいあげてもいいかな~って」
「☆4よ?一万枚引いても一枚当たるかどうかの確率で、しかもキラカードよ?さらに倍率が高い私のカードのどこに不満があるのよ。安く見積もっても金貨二百枚の価値はあるわ」
「金貨二百五十枚で一度売った事があるから知っている」
握られた拳が私の鳩尾を貫いた。
きっと本来なら十分は起き上がる事はできないだろう。だが私は違う。慣れとは恐ろしいものだ。今の私なら五分でで起き上る事ができる。
遠くで慌てたエリエールさんの声が聞こえていた。
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