第22話 旅行

そんなわけで、彼女と初めて遠出をすることになった僕。

実は、ここが彼女と行った2番目に遠い場所であった。

1番はかなり先で登場する場所なのだが、ちゃんと「出かけた」という意味で言えばここが1番になるのかもしれない。まぁどうでもいい話ですが。


これまた家族に事情を説明し、会社に2,3日休暇を貰い、

僕らは都心から離れた駅で落ち合った。

彼女の立場上、待ち合わせには細心の注意が必要だったのだ。

そしてさらに離れた駅で店長カップルと合流。

4人での旅が始まった。


駅弁を買い、お菓子を買い、車内で語らいながら目的地へ向かう。

遅れすぎた青春を味わっているかのような感覚。

楽しい、嬉しい、などでは到底片付けられない感情を覚えた。

状況は複雑ながら、「折角だから目いっぱいはっちゃける」がテーマ。


目的地に着く。予想以上(失礼)のきちんとした造りで驚く。

僕世代の人間なら間違いなく子供の頃にCMで見ていた場所の跡地。

懐かしいBGMを思い出しながらログハウス内へ。


4人:「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」

店:「これからどうする?夕飯は外で食べるとして」

彼:「周り、何もないですね」

僕:「行動は制限されるけど、無難に近くでいいんじゃね?」

店彼:「ちょっと休んで、外行こうか」


てなわけで、経験者2人に案内され、近くのショッピングモールでお買い物。

店:「ねぇ、どこまでいったん?」

急に切り出される。

僕:「あー、キスはした」

店:「は?まだシてないの?」

僕:「え?あ、うん」

店:「あのさぁ。。。どこまで鈍感なのよ」

僕:「順序とムードってものがあるでしょ」

店:「あのねぇ、女の子ってのは不安になるもんなのよ」

僕:「それは君が、じゃなくて?」

店:「う。。。」

僕:「そりゃ僕だってそういう事したいよ。でもブレーキかけちゃうんだ」

店:「わ、私は抱かれることで愛されてるって思うよ」

僕:「うーん。。。」

店:「彼、全然構ってくれないしさ」

僕:「それ言わないでいいよ。変な想像しちゃった」


彼:「ねー何の話?」

僕:「ん?ちょっと真面目な話」

上手くはぐらかした、つもり。


店:「とにかく私はこの旅行でアプローチするから」

僕:「付き合ってるのにアプローチて(笑)」

店:「あんたも彼女と一緒に風呂入りなさい」


ログハウスには、大浴場とは別の外風呂があるのだ。

僕:「んー、まぁ誘ってみるよ。絶対恥ずかしい!って言われるのけど」

店:「そこは押し切って。私が先陣切るから」

そう言って鼻息を荒くする。

買物している時も食事してる時も、色々考えてしまった。


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