第21話 計画

翌日、彼女が店を訪れた。

様子を見に来た、らしい。

本当のところは分からないが、昨日の今日なので会えて嬉しい僕。


ちなみに前日、僕は家族に事情を説明した上で店に泊まらせてもらった。

3人で川の字になって。不思議な光景だけどなんだか楽しかった。

疲れすぎてすぐ眠ったけど。


彼:「大変でしたね」

店:「そうなのよ。でもお互い、でしょ」

彼:「はい。あ、でも家は被害少なかったですよ」

店:「それは良かった。でも。。。ほら、彼氏」

彼:「ああ(笑)まぁ、でも、嬉しかったんです」

店:「そう?私が止めてなかったらどうなってたか分からないわよ」

彼:「気持ちが嬉しいっていうか。彼、素直じゃないところあるから」

店:「やだーぞっこんなのね。羨ましいわー。ねー〇〇」

店彼:「うん。心配して損した」

僕:「あらやだ。心配してたなんて初耳」

店:「私が言うまで手も繋げなかったくせに!」

僕:「あれは単に恥ずかしかったからです」

店:「ねー〇〇も私にぞっこん?ねえ?」

店彼:「はいはいそうですね。一旦落ち着こうか」


他愛もない話。なのにとても心地いい。

こんな時間が続けばいいのに。本気で思った。


店:「あ、そういえばさ」

僕・彼:「ん?」

店:「温泉、行かない?」

僕・彼:「お、温泉?」

店:「そう、前に何度か行ったことがあってね」

店:「旅館じゃなくて、ログハウスなのよ」

僕・彼:「へー。それは。。。いい!」

僕:「ちょっと待って。いいんだけど。。。いつ行くん?」

店:「明後日くらい」


僕・彼:「早ない?」


店:「だってさ、リフレッシュしたいんだもん」

僕:「ちょっと待って。いくらなんでも。予定とか」

彼:「私は大丈夫。というか行きたい。こんな時だからこそ」

店彼:「まぁ僕はもちろん」

店:「後は。。。」

僕:「わかった、わかったよ。行きましょう」


そんなわけで彼女との初の遠出はまさかの温泉へと決まった。





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