第8話 ライブまで、もう少し

きっかけはいつも突然、偶然、でも必然にやってくる。

出会いも同じ、別れもまた然り。

それは一瞬で消え去ったり、しばらく続いたり、いつまでも残ったり。

あの時もし全力で引き留めていたら、どうなってたかな。


ライブ本番が近付く中、準備に追われていた。。。わけでもなく、

相も変わらず例のバーに入り浸っている僕。

もちろん機運が高まっているし、準備もしていたのは確か。

とはいえ、もはやライフワークと化していたため、足繁く通っていた。


ひとまず彼女に再確認「本当に来るの?」すると君は嬉々とした表情で「行きますよ!楽しみです」普段は立場逆なのになんか。。。変な感じ。

「そ、そう。。。」やめておくれよ、そんな顔されたらまた好きが積もるじゃないか。そんな事を考えながら酒を煽る。


ところが、彼女がいる時、決まって酒は回らない。不思議なものだ。

意識的なのか無意識なのかわからない。割と冷静な自分がいる。


周りのノリに付いていけないのもあるとは思うが、それ以上に

「みんな同じノリだと、疲れさせてしまうんじゃないか」と感じていた。

そう、ただのお節介野郎だ。


かっこ悪い。楽しめばいいのに。


そういえば店長からも同じことを言われた。

「あんた、やっぱ変わってるよ」時たま、真顔でそう言われた


そうか、やはり変わり者なのか。

「構いやしないさ、変わり者って言われると嬉しいのさ」


そんな日々はあっという間に過ぎ、いよいよライブ当日を迎えるのです。

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