第3話
恭也といつものところでエロ漫画を読み
散々話が終わって夜も更け始めた頃に僕と恭也は家に帰った。
いつものように食事を終え、風呂に入り、自室へと入る。
ネットをし、部屋にあるテレビを見て、漫画をみて、小説を読み、
0時を回り僕はベッドに横たわり深い眠りへ入っていった。
今までの話でわかることであるが、
僕は成績は良くない。そしてお気付きの事と思うが宿題をしない。
姉や母親や近所のおばちゃんたちは大嫌いだ。
恭也という小さい頃からの友人がいて、
普通のひねくれた男子高校生を過ごしていることが判るであろう。
問題となるのは、とある日の朝、
目覚めるときから始まるのである。
☆彡
僕はいつものように目覚ましのアラームで目が覚めた。
そして起き上がった。
すると髪がふわっと垂れ下がるのを感じた。
僕はいつも朝が弱い。
いつも寝起きが悪いのだが、
今日はなんだか身体に違和感を感じる。
身体が特に上半身が重いのだ。
僕はメガネを手探りで探す。
そしていつも寝るときに置く場所にメガネを見つけてかける。
やはり髪が長くなっているのだった。
寝ぼけている僕には頭が働かず、現状把握というものが出来ない。
(昨日はなにかあったっけ?)などと、とぼけたことを考えているのだ。
下を見ると胸が膨らんでいる。
(身体が重い原因はこれか……)
そしてまた横になり、僕は二度寝をしてしまうのである。
いつまででも起きてこないことに姉が僕の部屋の扉をノックする。
「大輔、まだ寝てるの?いい加減に起きないと学校に遅れるよ」
姉の声がするのだが眠いものは眠い。
そのうちにいつまででも僕が起きないことに腹を立て、
僕の部屋に入ってきて起こされる。毎日の日課だ。
この日も僕の部屋に入ってきて姉が起こすのだがいつもと様子が違う。
「大輔、入るよ!」と言い部屋に入った姉がその場に立ち止まっている。
そして一言。 「あんた誰?」
姉が部屋から出て行くのを感じ、急いで階段を下りる音がする。
一階で「お母さん!」と大声で叫んでいる。
ドタドタとものすごい勢いで二階に上がり、「大輔!」という母の声。
さすがの僕もこの異常な雰囲気で目が覚めて起き上がると、
僕の部屋の入り口で母親と姉が立ち止まって僕のほうを見ている。
二人とも目を大きく開いて僕を見ている。
「お母さん、姉さん何してるの?」
僕が二人に声をかけると、
驚いた様子で「おまえ大輔かい?」と言ってきた。
こいつら二人ともボケたのか?
「見れば判るだろ!大輔だよ!」
母と姉の見る目が異様な物体を見る目で僕はムカついた。
「あのさ大輔。鏡みてみ」
姉がそう言ってきた。
「はぁ?」とさらにイラつく声で僕は言う。
イライラしてきたので僕は眠気を吹き飛ばすことが出来た。
頭が鮮明になってくると自分の身体の変化というものに敏感になる。
髪は長くなっていて、ストレートの黒髪が胸の位置まで伸びていた。
胸は大きく膨らんでいて、背も縮んでいる。
なんか手足も細くなったような気がする。
僕は部屋の入り口に居る母と姉の横を通り過ぎ
急いで一階に降りて行き洗面台の鏡を見て、
そこで初めて自分の今の姿を知ることとなる。
「現実にこういうことが起きないからこそ良い」
恭也と昨日、交わした言葉。
実際に起きたらどういうことになるのか。
結論から言おう。
「パニックに陥り、現実がわからなくなる」
母も姉も僕の後を付いて来るように一階に降りてきて、
鏡を見て現実を見失ってパニックになっている僕を見ている。
そして母が「昨日は何を食べた?」などど言っている。
食べ物で男子が女性化するかよ。
姉からは「昨日は何をやったの?」と言われる始末。
お母さん、大輔をはやく病院に!
病院ってどこの病院に行けばいいの?!
母と姉が事の重大さに気が付き、
現実を見失い始めてパニックに陥り始める。
「お母さん、姉さん、ちょっと黙って!静かにして!」
近くで騒ぎ出す母と姉の声が、
余計に僕をイライラさせてきて
考えることが出来なくなってくる。
僕もどうしたらいいのかわからなくなる。
僕はひとまず落ち着きたいと思い、
とりあえずトイレに行く。
トイレに入り深呼吸して小をしようと思い始める。
そのときに初めて気が付くのだ。
今まであった男性の象徴が無くなっていることに気が付くのだ。
僕はトイレのドアを開けてお姉さんに聞く。
「お姉さん、トイレってどうやるの?」
「便座をおろして座ってしなさい。した後はちゃんと拭くのよ」
御礼を言い、トイレの扉を閉めて姉に言われた通りにする。
トイレから出て手を洗い、食卓に行き僕は椅子に座る。
母も姉も同じように食卓の椅子に座り沈黙。
母と姉は僕の顔をじっと見つめて僕の言葉を待つのだった。
「お母さん、お姉さん、トイレ行ったら付いてなかった……」
「どこで落としてきたの?」と訳のわからない事を言う母。
「ベッドに落ちてない?」という姉。
「ちょっと探してくる」とベッドに向かう僕。
部屋に入りベッドに行くと、
「これは夢なんだ。そうだ夢だ。ここで寝れば現実に戻れる」
そして僕は眠りに付くが、母と姉に起こされるのだった。
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