第23話、時の魔女、現代散歩

それからも特に大きなことが起きずに平和に暮らしていたある日に吉田が



「そろそろ、この世界で散歩でもしてみませんか。この世界はほかの世界に比べて・・・平和だと思いますので外に出ましょう。ここにいてもつまらないですから」



アーリナは別に外に興味はあんまりなかったが世話になっている人からのお願いでもあったので承諾した。吉田はでは明日、いろんな場所に行きますからと言って明日に備えて早くも寝たのであった。



翌日、朝早くから起きて吉田とアーリナは外に出たのであった。最初に向かったのは大きな公園であった。自然も多くてゆったりしやすい場所でもあるようにアーリナはそうとらえていた。



「ここは静かでいい場所ですね。私がいた世界ではそんな場所は少なかったですからなおさらそう感じますよ」




「まあ、アーリナがいた場所では戦いも多かった世界だからね。ここが平和に見えても仕方がない」



「??どうして私が争いが多い場所に住んでいたことを知っているのですか。私は話したつもりはないと思いますが」



「え・・・それは・・・ほら、最初に会った時に大けがをしていたではないですか。それを見て争いが多い世界から来たのだなと勝手に解釈していましたので違うのでしたら許してください」




アーリナは明らかに動揺を隠そうとしていた吉田の意図が読めなかったのである。考えでは少なからずほかの異世界の状況を知っている人物でありさらに下手にすると自分のことも知っている人物ではないかと考えたのであった。




だが、幸いなことにこちらに対して敵対心はあるわけではないのでひとまず様子見にしておくことにした。



それからも公園から今度はとある店についたのである。そこは洋服などが売っている店であった。アーリナはどうしてここに来たのかと尋ねてみたら吉田は



「だってそんなに可愛いのに洋服が少ないのは寂しいかなと思って来たんだ。好きな服があったら買ってもいいぜ、もちろんのことお金は俺が何とかするから」




アーリナは少しばかり都合が良すぎると感じながらも服を素直に見ることにした。こちらの世界は元々いた世界とは違くいろんなものがあって悩んでいたら吉田がこれとかいいじゃないかと聞いてきたのであった。



それはアーリナもかなりいいやつだなと思えるやつであった。ここでまたしてもアーリナは吉田に対して服のセンスがいいのかそれとも・・・自分のことをかなり詳しい人物なのかと疑問に思いつつ試着してみることにした。



その結果、たくさんの買い物をしてしまったがすべてお金は吉田がだしたのであった。アーリナも流石に悪いと思い遠慮しようとしたが



「いいの、俺は基本的に社畜だから時間がなくてお金なんて使う暇もないからこんな時ぐらい使わないと。それに・・・アーリナはお金ないしね」



そう笑顔に言って結局数万すべて吉田が支払ったのである。アーリナは悪いと思いできることがあったら恩返しをしたいと言ったら吉田はなら付き合ってほしい所がまだあるから来てほしいかなと言ってきたのであった。



アーリナはまた恩がさらにかけられそうな感じがしたがそれでもお願いされては断ることも出来ずに素直に承諾をするのである。



そうして連れてこられた場所はカラオケであったのである。アーリナは吉田からある程度聞いていたが想像よりも狭かったが見たこともない機械がありどう扱えばいいのかと考えていたら



「説明も含めて俺からやらせてもらうからよく見ていて」



吉田はそう言って教えながら歌を選んだのであった。そうして歌い始めたが歌は音痴であり成績はひどかった。吉田はまあ、いつも通りだなと言ってアーリナに渡したのである。




アーリナは少しばかり戸惑いながらも歌い始めたのであった。その歌声は余りにも良すぎていきなり高得点を出したのである。それを見た吉田はこれが才能と無能の違いかなと絶望的な顔をしながら言っていた。



流石に悪いと思いアーリナが必死に庇おうとしたが吉田はごめんさらに傷が大きくなるだけだからと言って吉田は得点なんて気にしないで歌い始めたのであった。




結果はアーリナの圧倒的に勝利である、吉田はアーリナはこの世界に来ても音楽家として生きていけるじゃないかと思うぐらいに考えていた。




アーリナはよくわからないところばかりで少しばかり頭がいっぱいであるがそれでも今までの生活に比べるとかなり楽しい生活であった。このまま、何事もなく終わればと思った瞬間、



巨大な魔力がこの辺一帯を囲い込んだのである。それは敵が来ている証拠でもある。アーリナは急いで吉田を逃がそうとしたがすでに数人囲まれていた。



そのメンバーは柿崎景家、ハルカ、桜にかつてアーリナの手によって死んだはずの土居がいる上に切腹で亡くなった、榊原の姿もあった。



状況は最悪と言っていいほどであった。アーリナは回復したとはいえ流石にこれだけの強者を相手にするには分が悪すぎる上にこちらは無関係と言っていい吉田もいるのである。どう考えても危険な状態であった。




そんなことも考えていると包囲をしている柿崎が



「久しぶりだな、時の魔女。ここまでうまく隠れていたがとうとう見つかったな、今までの借りを返してやるでござる。それとそこの関係ない奴、お前はどこかにでも消えろ。関係ない者を戦いに巻き込むつもりはないでござるからな。」




アーリナは少しばかりであるがホッとしたのである。これで最悪な状況を避けられると思っていた矢先に




「すまないが五人がかりでアーリナに何をするつもりなのかな、ただの話し合いならいいが・・・もし戦いをするつもりなら俺が代わりに相手になってやろうか」



吉田は明らかに怒っている表情をしながら言ったのである。アーリナはやばいと思い止めようとしたがその前にその言葉を挑戦と受け取った柿崎が吉田に対して刀を抜かず鞘をつけたまま振り下ろした。



だが、その攻撃を吉田に届くことなかった。アーリナがよく見てみると柿崎の目の前に吉田がいたのである。吉田は相手が攻撃をしてくることを予測して相手の攻撃を避けて反撃をできやすい場所を考えた抜いた場所は相手にゼロ距離に置くことだった。下手に距離を置くと追って来て追撃を食らう心配性もあったが逆にありえないぐらいに近くに行けば相手の反撃までの時間がわずかに遅くなる。その瞬間を使い吉田が



「一つ、忠告しておいてやる。本気で来いよ、でもないと俺に対して傷すらも出来ないぜ」



最初に腹に一撃を与えた上で重い蹴りと与えたのであった。その威力はかなりの物であり少しばかり柿崎が飛ばされるぐらいである。それを見ていたほかのメンバーも戦闘態勢の準備をしたのであった。



アーリナは逃げるようにお願いしたが吉田は聞き入れてくれずに逆にアーリナに対して



「そこでちょっと待ってくれないかな、残念ながら喧嘩になりそうだ。でも安心しろあれぐらいなら倒せるから」



吉田はアーリナに対して笑顔でそう言って囲んでいる五人に対して



「ついでに言っておくけど俺には男女差別なんてないからな、気を付けておけよ。それとついでに名前も教えておいてやる。俺は吉田将也、この辺で有名な凶暴なやつで別名も川崎の狂犬とつけられるほどのやつだ」



ここで包囲をしていた桜が目を開いたかの驚いたのであった。それは自分のかけがえもない恩人の一番の大親友の別名が川崎の狂犬、そう桜にとって明智が決して戦っていけないと言われたほどの人物が今、目の前で対峙しようとしていた。



だが、そんなことはほかの者たちは知る由もなく挑発のように



「お前、もしかしてビビっているのか。当たり前か戦国武将にエリートの陰陽術師の俺たちに勝てるわけがない。」



「試してみるか、俺だって元は今と比べ物にならないほどの凶暴な凶悪やつだ。」
















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