第21話、自分(主人公)、要らなくない?
その場にいる皆がその名前を聞いて驚いていた。最上は流石、安倍晴明だなと思いながら安倍晴明が
「君が怒っていることは承知でお願いしたい、どうかここで手を引いてくれないであろうか」
安倍晴明が冷静に大人の良い例みたいな対応して時の魔女に対して言うのであった。流石にここまで冷静になっている上に落ち着いて話してくれたので落ち着きを取り戻しつつ返答した。
「そうですね、私も頭に血が上りすぎていました。お詫びをいたします、ところでこのような対応すると言うことは・・・引いてほしいのですか、安倍晴明さん・・・いや、ヨルムンガンド兄さま」
最上はもう今の言葉に聞いて何がんだが分からなくなってきたのである。安倍晴明がヨルムンガンドと同じ人物なのかといろいろと真相が明かされて錯乱していた。
ほかの者たちも同様であったがそれにもかかわらずさらに爆弾発言を安倍晴明がするのであった。
「相変わらず弱気ですね、我が妹、ヘル。それがからいろんな者たちになめられるですよ・・と言いたいですが弱いあなたにはそれがふさわしいかもしれませんがね」
「相変わらずに妹に対して厳しいですよね、それだからいろんな者から嫌われるですよ、兄さま」
最上はいろいろと新しい情報を整理していくとこの二人は血を分けた兄妹でしかもその名前がヨルムンガンドとヘルと来たものであった。これは北欧神話に登場する怪物のやつであともう一匹いるが・・・と考えていたが
「ですが、フェンリル兄さんは未だに見つかっていませんがね、そちはどうですか、ヘル」
「残念ながらこちらの方でも見つかっていませんよ、あの凶暴な大兄さまならすぐに見つかることなので未だに封印から出れていないでしょう。神々から我々はあんまり好かれていませんでしたからね」
やはりと最上はそう思った、このフェンリルも加えた三人は北欧神話に登場するロキの子供たちであり・・・化け物でもある。そんな者たちが目の前にいるだけで正直に言って怖かったが一人で逃げるわけにもいかずただ観戦状態になっていた。
ここで動き出したのは意外にも桜であった、桜は話に夢中になっている今が好機と考え不意打ちをしたのであるがそんなことは時の魔女には見えておりすんなり避けられて拘束されたて危機に落ちたがここで安倍晴明が
「やめた方が良い、その子は我々が恨んでいた父、ロキを殺してくれた恩人である明智雅殿の娘に等しいものだ、危害を加えるというなら我もお前に対して戦わなければならない」
そのことを言い終わると素人から見ても尋常ではない量の何かが出ていることが最上にもわかり時の魔女は桜を解き放って少しばかり後退した。それは時の魔女よりも安倍晴明が強いと言うことが分かった。それを見て少しばかり安心しながら最上は未だに観戦状態である。
「・・・わかりました、ここは私が引き上げることにいたします。ですから追撃などしないでくださいね、それとこの後に出てくる吸血鬼のことも説得してくれたら妹したらうれしいです」
桜たちは頭を傾げたが最上には理解できた・・・吸血鬼の明智雅は死んでおらず生きていることにそして時の魔女は安倍晴明と対峙して何か確信したようでこのままだと不利になると思い逃げようとしていることが分かった。
最上はそのまま逃げてくださいと思いながら聞いていた。正直に言って時の魔女と戦っても勝ち目が見つからないのでどうぞ、逃げてくださいという状態である。
時の魔女は追うつもりもないことを確認するとすぐにその場から消え去った。それを確認した最上たちも一息付けたのであった。正直に言ってよく生き残れたよなと思いながらハルカや柿崎などに話した。
「確かによく神話に出てくる者相手に生き残れたなんて運が良いですよね、私たちは」
「まったくでござるよ、あんな化け物がいるとはなと言う前に安倍晴明は人間ではないのでござるか。」
最上は二人と話していると空から吸血鬼らしきものが出てきて警戒をしていたがここで桜が
「う、うそ、本当に雅さんなの」
桜が明らかに動揺していることを考えてこれが明智雅であろうと考えていたら向こうから
「ごめんね、桜ちゃん。蘇るのに時間がかかって・・・長い間、一人にしてごめんね」
「いいえ、またこうして会えただけでもうれしいです、雅さん」
桜は泣きながら雅の寄り添いながら泣きながらもうれしそうであった。ここで場の空気を呼んだのか安倍晴明は最上とハルカに柿崎に四人で少し違う場所で話をしましょと言われて移動するのであった。
移動し終えるとそこで安倍晴明が話を始めた。
「先ほどは時間がなくて説明足らずに申し訳なかった。我は安倍晴明と言うのは人間の姿の時の名前で本名はヨルムンガンドと申す、よろしくお願いいたします」
「こちらこそ、助けていただきありがとうございます。俺は最上紅龍で言います。後の二人はハイエルフのハルカに鬼の柿崎景家と言います」
「そうですか、それで三人には少しばかりお願いがあるのです。もちろん危険な仕事ではないのですが・・・時の魔女が逃げたであろう世界で妹を探してくれませんか」
最上はなるほど確かに探すだけなら危険ではないしそれにとんでもない者に恩が売れるからいい機会だと思い最上が尋ねてみるのであった。それで返ってきた言葉は
「その世界は最上さんが今、住んでいる世界であり場所は日の本、妹はそこに逃げ込んだと見ています。」
最上はこれは想像以上に厄介なことになると確信したのであった。それからは安倍晴明と明智たちの会談があり時の魔女の処罰内容やその後の動きなどが話しをしたらしいが最上自体は参加しておらずよくは知らなかった。
こうして安倍晴明・・いや、ヨルムンガンドと明智雅が作り上げた連合軍は時の魔女の追撃準備を始めることになった。最上もその一人となって元の世界に帰り情報を集め始めるのである。
場面は変わって日本の川崎と言う場所でいつものように仕事を終えてある男が家に帰宅している途中であった。その男は仕事を終えて買い物を済ませて家に戻ったら何をしようと考えていたら目の前に傷ついている女性を見かけたので乗っていた自電車を降りて話をかけた。
「すみません、大丈夫ですか。救急車を呼びますか」
男は急いでスマホから電話しようとしたが女性がしなくていいと言って移動をしたが男は心配で少しばかり後を追ってみることにした。
そして心配していた通りに悪そうな男、二人組に捕まってしまった。なんせ、女性はかなりの美人だからこんな夜遅くでは治安が悪いことで有名な川崎では当たり前と言ってしまえばそれまでになってしまうほどである。
彼女は振り放そうとしていたが弱っているのでやはり振り切れそうもなかった。男はこうなってしまうのかとため息をつきながら絡んできた男のところに向かい後ろから声を出して言ったのである。
「そんな弱っている女性を絡んでどうするつもりなのですか。それよりも元気があるこちらの方が係わったほうが良いですよ。」
そう言って男は後ろから女性に絡んでいる悪そうな男を蹴り飛ばしたと同時に女性を助け出したのである。
悪そうな男は横槍をやられ怒りだしながら男に向かって来たが男はジャンバーを脱いでまるで牛を相手するかのような行動をしたのである。悪そうな男は舐められていると思い前に攻撃したが避けられた上にジャンバーで頭にかぶせられて見えなくなったところに男はさらに猛攻をした。
もう一人の悪そうな男が相方を助け出そうと男に向かって来たが男は避けて少しばかり後退したと思っていたらバックから石を取り出し投げた。もう一人の方も足に当たりかなり痛かったであろうがそれでも男に向かって来た、そして最初に攻撃した方も向かって来たのでバックを中距離攻撃用に使ったのである。
中には石やカッターなどが入っており重く鈍器代わりになるほどであった。それが当たり二人とも痛みで立っていられずに横に倒れたがさらにここで男がバックからカッターを出して二人を脅したのであった。
「いい加減にしないと治らないほどの怪我をさせるぞ、早く立ち去れ」
二人はそれを見て逃げ出したのであった、男は逃げ出したのを確認したら追うことはしなかった。男は女性の近くに行き話をした。
「災難でしたね、ここは本当に治安が悪いので早く家に帰った方が良いですよ。もし、異世界から来て行くところがないのなら俺の家に来るか。」
女性は驚いた表情を見せたのである。男ははやりそうであったかと思っていたら向こうが
「言葉に甘えさせてもらってもいいのですか、お礼は何もできませんが世話になりますがそれではお願いいたします。私は時の魔女、アーリナと言います。」
「俺は異世界好きに歴史好きの吉田将也と言うよろしくな、アーリナ。」
こうして舞台は現代に移ろうとしていた。
最上紅龍
今回の成果
安倍晴明がヨルムンガンドであり
時の魔女がヘル
明智雅が生きていたというより蘇った
異世界探索が終わりを迎えた
時の魔女、アーリナ
今回の成果
異世界(地球)に逃げてきた
川崎と言う場所で吉田将也と言う人物と出会う
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