第20話、対決、時の魔女
桜の話が終わり辺りは静かになっていた。誰の予想よりも悲しい過去で何も言えずにいた。それはこっそりと話を聞いていた最上もそうであった。話辺りから隠れながら聞いていたがまさか、こんな過去があるとはと思いながらあることを考えていた。
そんな時であった、突如として最上に式神の作り方を教えてくれた森の神が現れたのであった。最上はもしかするとあの森の神は時の魔女の味方ではないかと思い始めたのであるがその考えはすぐに間違いであると言うことを思い知らされた。
「あ、あなたは時の魔女。ここで会ったのも雅さんの導き、覚悟しなさい。」
最上は味方じゃなくて本人でしたと思いながらも確かにあの森の神と聞いた話で時の魔女と何となく似ているところがあったけれどもと思った。
それで正体がばれているにも関わらず、冷静に笑顔にしながら
「また、私に挑むのかしら、桜ちゃんはもうお姉ちゃんは疲れちゃったから戦いたくないだけれども。」
「それでわかりましたと言う私だと思うのか、時の魔女。あなたを殺すだけを願いにここまで強くなった。その怒りを食らいなさい。」
桜は今までないほどの規模の術を発動して森の神・・いや、時の魔女に攻撃したがその攻撃は届くことはなかった。突然に時の魔女の前で消え去ったのである。
「桜ちゃんも忘れているかもしれないけれども私は時の魔女とも呼ばれている、だから時間を操れるの・・・だからね、いくら攻撃してきても時間を進ませて無力化にさせちゃうから威力とかの問題ではないの。」
桜はかなり悔しそうにしながらも諦めずに左右に揺さぶりながらも攻撃を続けたがどれも時の魔女に届くことはなかった。そして時の魔女がここで桜に対して
「いい加減諦めたら私に勝て要る見込みはなんて無いのにそんなに必死に戦わなくてもいいのに。」
圧倒的に時の魔女の方が優勢であったがそれでも桜は諦めることはしなかった。敵討ちがもはや生きがいとなっている彼女に諦めるという選択はしに等しいものとなっていた。
時の魔女は完全に勝てると考えていて余裕を出していたがここで予想もしていないことが起きたのである。
「そう言えば、某は桜殿と戦って負けたら協力をしてくれと言われたでござるからな。不意打ちは許してほしいでござるよ、時の魔女殿。」
まさに奇襲であった、流石の時の魔女も予想できずになんとか己が持っている杖でガードして後退した。不意打ちをされて流石に時の魔女も少しばかり余裕がなくなり柿崎に対して言うのであった。
「まさか、勝てない戦いに参加するとは頭が可笑しくなったのかしら。それとも勝てない戦いにするのが鬼たちとも言うべきなのかしら。」
「生憎、戦は必ずと言う言葉はないのでござるよ。確かに勝算は薄いでござるがゼロではないでござる。それに参加をしてくれるのは某一人ではないでござるよ。」
柿崎がそれを言うとその後ろにたくさんの鬼たちが戦闘準備を始めていていつでも戦いができる準備をしていた。それも鬼たちの視線は時の魔女、ただ一人であった。
時の魔女はやれやれと思いながらもまとめて消してやろうと魔法を発動しようとした瞬間、
「来たれ、来たれ、生命の輝きよ、敵を焼き尽くせ、臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前。」
時の魔女の背後から術の攻撃が起きたのである。時の魔女は背後にもかかわらずに止めたがかなりがっかりしながら
「まさか、頭が良いハイエルフまで敵対するとはいいのですか、ハルカさん。そろそろ敵が多すぎて怒りたくなってきているですよ。これ以上邪魔をするなら覚悟した方が良いですわよ。」
「上等と言っておきます。これで助けをしなかったらハイエルフの恥です。それぐらいなら戦って死んだほうがましですね。」
時の魔女はだんだんと邪魔ものが増えていき、少しばかり頭に血の登り始めていた。それもそうである、ここにいる者が皆が桜側についたので事実上、敵しかいなかったのにここでさらに
「ここはハルカのためにも森の神には申し訳ないがこの最上紅龍も助太刀する。まあ、ほとんど役に立つとは思えないけれどもな。」
時の魔女はついに周りが敵しかいなくなったせいか少しばかり笑い始めたのである。最上はそれが不気味で仕方なかった。まるで勝算があるみたいであったそれが当たらないことを願っていた最上であったが
「ならここで全員、殺しても構わないでしょう。なら行きますよ、とても危険な魔法を発動させてあげますね。私に逆らったことを後悔させてあげますから。」
最上たちはそれを発動されたらまずいと感じ皆で止めようとしたが時の魔女が先に結界を張り攻撃できないようにした後から唱え始めたのであった。
最上たちは必死に結界を壊そうとしたが壊すことはできず今、まさに発動しようとした時である。突如、時の魔女が作った結界が壊されて魔法も中断させられた。
皆が唖然としたがここで時の魔女が誰が自分の結界を壊したかと探していたらとある見かけたこともない男がいた。その男は不思議な服を着ており時の魔女はその男に問いただしてみたのである。
その男は時の魔女の問いに素直に返すのであった。
「我はそんな物騒なものではございません。名は安倍晴明と申す、陰陽術師でございます。先ほどは危ない呪法らしきものを止めてことを深くお詫びを申します。ですが多くの命を救うためでございます。ご理解してくれると助かります。」
この言葉に最上はあ、安倍晴明ー⁉と驚くことばかりであった。安倍晴明、彼が出てきてとある真相が確実に明かされようとしていた。
最上紅龍
今回の成果
森の神が時の魔女と同一人物
桜に味方する者が多発
安倍晴明が出現
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