第18話、桜の過去(中編)
私はそれから彼女の後をついて行くことにした。そこでいろんなものを見てきた。絶景な光景やとても美しい光景・・・そして、無数の者が亡くなっている光景も見て歩いてきた。
彼女、明智雅さんは誰でも当たり前の幸せがつかめる世界を・・秩序を作りたいと言っていた。私はそのような世界が出来たらいいなと言った。
そしたら彼女は必ず作って見せるからねと言ってくれたのである。私はどうしてそこまでして世界を変えたいのかを聞いた。
「私は亡き友たちに必ず作って見せると約束したからかな、私はここまで人生を歩んでいるうちに多くの友人を失ったの。それも理不尽に近い理由でだから次に生まれ変わった時にはその友人たちは幸せになってほしいから・・私は今、頑張っているのよ。」
彼女は想像以上に大きな理由と決して楽ではない道を歩んできたのであった。その証拠に私はかつてないほど彼女が悲しい目をしていた。いつも笑顔にしてくれている彼女が泣きそうな表情をしながら語ってくれた。それは後悔した証だった、だから彼女はそれを繰り返さないようにしているのだと感じた。
私は彼女の力になりたいと心の底からそう思った。彼女の願いはとてもやさしいものでそれで私は救われたのである。今度は私が彼女の手伝いをする番だと思い話した。
「雅さん、その夢の手伝いをしてもいいですか。少ししか手伝いできないかもしれませんが・・・それでも役に立ちたいのです。」
それを聞いた彼女は笑顔にしながら返してくれた。ありがとう、その気持ちだけでもうれしいわと私を抱きしめながらそう言ってくれた。彼女は本当にうれしそうであったのは今でも覚えている。
彼女はそれからとあることを話してくれたのである。それは自分の同じ理想を考えている人がいること。その人との思い出も話してくれた。
「そう言えば、こんな理想を叶ったらいいなと思っている親友の話でもしましょうか。この話を聞いたら驚くわよ。」
どんな話であろうと思いながら聞いてみたのであった。
「実はね、私は前世は人間だったのよ、しかも男だったのよ。とても驚いたでしょう。」
私は心の底からえーーーーーと思ったのである。前世は違う種族だったのと性別が違うことに驚いた。だってこんなに魅力がある彼女が前世は男だったなんて考えられなかった。
それに人間と言ったら数が多くていろんなことができる種族だと聞いている。流石、雅さんと思ったのである。
だが、彼女は自分はそんなにできることは少ないわよと言ったのであるが料理や狩り、掃除にほかにもいろいろと一人でできる人が出来ることは少ないとは思えないと思いながら聞いて時であった。
「でも本当にいろいろと出来る人は親友だけかな、親友は本当にいろいろと知っている上にできると言った人で本当にどこの化け物ですかと思ったぐらいですもの。」
彼女がそこまでそう思っている人はどんな人であろうと思っていたら彼女から語ってくれたのである。
「そう、親友は困っている人がいたら絶対に助ける人でそれが理由に親友は何回も大ゲンカしたことがあっても勝ってしまい。それが原因で警察という組織にお世話になったこともあったかしら。それのせいで一人でいることが多かったわね、でも弱き者が困っていたら嫌な奴でも助けに向かっていたわ。」
私はもしそのような人が近くいたら私は追い出されることはなかったのかなと尋ねてみたら彼女は笑いながら
「残念ながらそんな甘くはないわ、あなたは親友がいても同じことになっていると思うは・・・ただ、一人ではなかったと思うけどね。あなた見たい子を親友は己が死んでも見捨てないと言い張る人ですもの。恐らくあなたを追い出した者たちにすべてに喧嘩を売ると思うわよ。」
私はなんといういろんな意味ですごい人だと思った。己の信じる道を迷わず進める勇気はすごいと思いつつ孤独だなと感じた。もし、自分なら耐えられないだろう。
「でも、そんな性格で親友は友達が少ないけどそれで救われたものはいるわ、少なくてもここに一人はね。」
彼女は自分のことをさしたのである、私はだから雅さんはその親友さんと仲が良いのかと思った。でも雅さんの気持ちもよくわかる、自分も助けてくれた人のことが好きなのだから雅さんもきっとその人が好きなんだろうなと感じた。
「それに面白い面もあって・・・異世界はあって死んだらそこに転生するだといつも言っていたかしら、結果的にはあっていたかもしれないけどね。ほかにもネタの真似をすることが好きで見ていて面白い人よ。」
私もその人に会ってみたいと思った。でも、雅さんは今すぐに会せることはできないかなと言ったのである。それは前世の出身の国を変えるためにもっと大きな力を持たないといけないと考えていたみたいで帰るべきではないと彼女はそう言ったのであった。
ならば私は彼女が親友に一日でも早く再開できるように努力していこうと考えた。それが彼女に返せる恩義だと思った。
そんなことを話していたら雅さんがようやく到着したわと言って少しばかり残っている山道を登り終えるとそこには今まで見た中でも一番きれいな光景が広がっていたのである。
華も咲き乱れておりまさしくこの世の楽園とも呼べる場所であった。そこは彼女が一番気に入っている場所だったらしく私にも教えてくれた。本当にきれいな光景で時間ですら忘れてしまうほどであった。
そこで彼女は私にあることを聞いてきたのである。それは名前のことであった。私は生まれた時から災いの子と呼ばれており名前がなかった。そこで彼女は名前を新しく変えてみたらどうかしらと言ってきたのである。
私も災いの子と呼ばれるのは嫌で私は名前を考えたがいまいち思いつかなかった。考えているうちに私はとある木の前で止まっていた。その木の花がとてもきれいで見ていたら彼女が
「それが桜の木と言って春にしか咲かない花けれどここまで綺麗で魅了する物よ・・・そうだ、桜と言うのはどうかしら。可愛いあなたにピッタリな名前よ。」
私も彼女がそう考えて決めてくれたならそれが良いと思い私は彼女が考えてくれた名前、桜とその日から名乗ることにした。
「これからもよろしくね、桜ちゃん。」
彼女は太陽のような笑顔でそう私に言ってきたのである。私もお願いしますと言ったのであった。そこからは彼女と共に生活しながら強くなるために修行しながら彼女の夢を手伝っていた。こんな生活がいつまでも続けばいいなと思っていた。
その夢の終わりが確実に迫っていることに気がつかないまま・・・その日を迎えたのよ。
災いの子
今回の成果
雅との交流
雅の親友の話
雅が気に入っている場所に案内された
名前がなずけられた、名は桜
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