第14話、森の神との出会いと・・式神

それからしばらくして最上はだいぶ傷も癒したであろうからまた襲って来る前に立ち去っようとした時であった。後ろから聞いたこともない声が聞こえたのである。



「そのジュラークの治療していただきありがとうございます、最上さん。」



最上が声がした方向に振り向いてみるとそこには森の守護している精霊の美人がいた。それと同時に人やエルフなど出すこともない神秘性と言うべきであろうかそんなものも出ているように思えた。




最上はとりあえずその者に対してそんなことはないですよ。自分がしたいからしたのですと言ったら向こうは笑顔にそうですかと返すのであった。



やはりこの者は神とかそれに近い物であろうと最上は自然と感じたのである。だが、そのような者がなぜ自分の前に表したのであろうかと考えたがどうも嫌な予感がしたのである。



面倒ごとに巻き込まれるような気がしたが一応、勘違いだと信じて尋ねてみたのである。



「そうですね、ここに来たのはあなたにお願いしに来ました。どうか聞いていただけないでしょうか。まあ、あなたなら困った者の願いを断る性格ではないので素直に言います・・・まもなく何者か、鬼の集落に襲撃をします。最上さんはそれを鬼たちと一緒に防いでください。」



やっぱり面倒ごとを持ってきたよこの者は、どうしてやばそうなことを自分に押し付けるのかなと思いながらも一応、断ったならどうすると訊ねてみたら



「そうですね、そうなったらどうなるかわかりませんよ。まあ、少なからずあなたに災いが降り注ぐことになるかもしれませんが。」



笑顔で鬼畜なことを言ったのである。最上は間違いなく断ったらとんでもないことになるので事実上、選択は一つしかなくわかりましたというのであった。



そうしたらその者が自己紹介を始めたのである。どこか偉そうだから余程の実力者かもしくは神様じゃないかんと考えながら聞いたのである。



「私は森の神、ドルイドと申します。ハイエルフやこの島を守護している神です。ですが、戦闘に関してはあんまり得意ではありませんのでどうかお願いします。」




最上はやっぱり神様だったのかと思いながら神までも手を焼く相手に自分が倒して来いというのは鬼畜なすぎるがまあ、何とかなるでしょうと半分ぐらい考えるのをやめて承諾した。



そして面倒ごとが起きるであろう鬼の集落に戻ろうとした時にドルイドが最上に対して提案をするのであった。



「最上さん、あなたが宜しければ式神でも作ってみませんか。近くにあなたの式神になれそうなものがあります。その気になって式神にすればかなり心強い戦力になると思います。」



式神かぁと一息ついてそう口にこぼした。確かに陰陽術はかなりできるほうではないかと思い始めていてもしかしたら式神とかもできるかもしれないと思い始めていたが・・・まさか、こんな早くもできそうなものがいるとは思いながら聞いたのである。




「後ろにいるではありませんか、そこのジュラークのことを言っているのですよ。」



最上はよりによってもジュラークを式神にしろといきなりハイレベル事を言われて無理と言いたかったがもし無理と言ったらその後が怖いので素直に式神の仕方を教えてもらうことにしたのである。



やり方はそんなに難しいことではなかった。予想よりも簡単であったがそれでも成功するかは正直に言って怪しかったのである。



最上は森の神、ドルイドの言う通りに従い唱え始めたのであった。今回は戦闘でもないのでゆっくり唱えることが出来たので全部を唱えたのである。



「我が信念、我が想いに共鳴せよ、臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前。」



そう言いながら成功してくれと願いながらしてみたらジュラークから一枚の紙が落ちてきたのであった。最上はこれは成功ですかと聞いたところ



「まさか、才能があるからと言って一回で成功させるとは・・・本当にあなたに頼んでよかったですよ、これならなんとかなりそうです。」



最上は何様のつもりだよと思ったがそう言えば神様だったなと思い苦笑いをしながらありがとうございますと言ってまずは式神となったジュラークと接触から始めたのであった。



感じはいい感じであった、特に向こうが威嚇などしてこなずむしろなずいている様子だった。最上は威嚇などなければ意外と可愛いものだなと思いながらじゃれ合った。名前は簡単に覚えやすくするためにジュラと名付けた。



そろそろ式神の詳しい説明をしてもらおうとした時であった。鬼の集落から空まで赤くなるほどの炎が出てきたのである。最上はまさか、もう来たのかと考えていたらドルイドが



「もう来ましたか、すみませんが最上さん、そのまま式神を引き連れて鬼たちにご助力していただけないでしょうか。あそこまで強力な力を持った相手では鬼たちといえどもそこまで持たないと思いますので。」




最上はそんな相手では自分が言っても無駄ではないかと思いながらも確かにいないよりかはマシかもしれないと思い新しく式神にした、ジュラークに乗り鬼の集落に向かったのである。速さはまだ完全にジュラは回復しておらず普通よりかは遅い速さであったがそれでも普通の人が走るよりは速かった。



その場に残ったドルイドは空を見上げながら一人言葉を出すのであった。



「これであなたの意思を受け継ぐ者が消えますね。最悪の吸血鬼、明智雅さん。せめてあなたの意志を強く受け継いだ子も同じところに送ってあげますわ。」



一人になってその言葉を出しながら不気味に笑っていた。しかし、その場に誰もいなく彼女の真意に誰も気がつくことはなかったのである。



彼女の作戦はほぼ完璧と言うべきものでほぼ、失敗するものではなかった。だが、彼女はまだ気がつけていなかった。



彼女、ドルイド・・・いや、彼女の加担するものがまだ、この世で邪魔する者がいることに・・・そしてその者が・・・確実に牙を研いで今かと今かと待っている狂犬と呼ばれている者の存在がいることに



最上紅龍


今回の成果

森の神との接触

式神の儀式が成功

式神、ジュラーク(ジュラ)

鬼の集落に異変












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