おやつ氏の動画に学ぶ、伏線についての考察

真田五季

第1話

     おやつ氏の動画に学ぶ、伏線・満足感の考察(最悪の瞬間の打開策)


 ・伏線とは……「それまで意味のない行動と思われていたものが、意味のあるものに認知・逆転すること」また、それが物語上重要なファクターになりうること。


 ・伏線の使用例……主人公が最も暗い瞬間を迎えた際、その状況を脱するきっかけになるのが、この伏線であると素晴らしい。それまで積み重ねてきた何の気なしの善意、あるいは最悪の事態を見計らっての行動の蓄積が、最悪の状況を認知・逆転させる。

 これは蓄積された感情が悪であるとなおよい。つまり、状況を悪化させる行動が、最終的に事態を打開する鍵になる、という状況である。それがもっとも振れ幅として正しい。

 また、物語上で進行の過程を見せることによって、「腑に落ちる」ことができる利点がある。


 ・伏線の注意点……第一に、読者の納得感が最優先される。それは状況打開における納得もさることながら、伏線それ自体の行為に対する納得がなくてはいけない。そうでなければ特異に見えて記憶に残り、伏線としての意味をなくしてしまううえ、伏線が起こす逆転の効果を期待することができない。

 したがって、解決策としては、「そうせざるを得ないと読者が考えられる行為」、あるいは、「人格上、そうするだろうと予想できる行為」が最も良いと考えられる。


 ・伏線による、最悪の瞬間の打開……最悪の瞬間を打開する方法を、あらかじめ考えて置き、それに合わせて物語上に伏線を設置。そして、それまでの主人公の行動がすべて肯定されることによって、読者に対する深い満足感を与えることができるようにすること。


 満足感とは、主人公と共に苦闘する経験を蓄積し、それが報われることを源泉とする。

 その際、動機の共感と、読者感情が近づこうとするか、離れようとするかの同期が非常に重要になってくる。何もかもが満たされた理想郷から、抜け出したいと思う者はいない。恐ろしい状況に、自ら足を踏み入れたいと思う者はいない。


 主人公の苦闘とは、「読者から見ても逃げ出したい状況に挑むこと」か、「読者から見ても近づきたいと思う状況から離れざるを得ないこと」の二種類に分類される。

 そして最終的なゴールとは、「読者から見ても逃げ出したい状況から脱すること」か、「読者から見て近づきたいと思う状況へ到達すること」の二種類となる。以上が達成され、なおかつ主人公のなかにある自分と同じ欠点や、人格が、最終的に肯定されることに感動と満足感を読者は覚える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

おやつ氏の動画に学ぶ、伏線についての考察 真田五季 @sanadaituki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る