第十九話 置いてあった理由


 砂漠の夜に輝く竜脈の上を、蛇が一直線に進んでいる。


 まるで光の線路を走る列車のような勢いのウォーダーだが、搭乗した時のような激しい魔力マナ飛沫しぶきはすっかり収まって、今は時折さらさらと光る粉が風に煽られて後方に流れていくのみであった。


 結構なスピードで移動しているのは、開け放たれた格納庫の外壁から見える外の光の河の流れと、遠景の真っ暗な稜線を見ているとわかる。しかしほとんど振動は感じない。

 声曰く、蛇の外部は風防のシールドに包まれているらしく、速度の割には吹き込む風も髪をなびかせる程度のものだ。


 魔力マナに酔ったアキラは、モノローラの格納庫の前方の隅で座り込み、開け放たれた扉の向こう、後方へぐんぐんと流れていく夜空と景色を、遠目にぼおっと見つめていた。


 全身に浮かんだ青水色の竜紋も消えている。竜紋態ドラゴニアが発現するのは通常空間から竜脈へ搭乗ランディングする際の『魔力マナの密度差』が激しい一時期らしいと、そうロイが教えてくれた。

 それでも魔力マナ酔いは個人差があるから、具合がよくなるまでここにいてもいい、落ち着いたらいつでも中に来ていいと言われて、少し考える時間をもらうために独りになったところである。


 正直、頭の整理がつかない。

 鉄の壁にもたれたままぼんやりと外を眺めるアキラに声が言う。


=まあ、一度にいろいろ、あり過ぎたな=

「うーん」


=……励起と共鳴ができる元素星エレメントは?=

火星イグニス水星ハイドラ風星エアリア大地星タイタニア?」

=魔法の五術は?=

「気術、操術、理術、霊術、法術?」


 声の問いにさらさらと答える。頭の中から自然に湧いてくるのだ。


=正解だ、潜って酔った甲斐があったな=

「あのな? あのね?」

 アキラが頭をかりかりと掻く。


=なんだ?=

「俺、どうなるの? これから。もうね、もうわかった。これは夢じゃない。そうだろ? そこはもういい。わかった」


=まだその辺かアキラ、自覚が足りないな=


「いや。だからさ?」

 声の返答に少しかちんときたのか、座り直して言葉を続けるその眉間には、やや不機嫌な皺が寄っていた。


「自覚ったってさ、何にもわかんないじゃん。外国とかなら話はわかるよ? でもここは、なんなんだよ? 帝国とか。獣とか。魔法とか。急に戦闘とか始まるし。俺一体どうしたら——」


=お前。死んだのだぞ=

「……っと、うん」


=死んで、別世界で生き返った。お前に起きたことは、それだけだ。この世界がどうあろうが、お前に関係ないだろう? 逆に聞くがアキラ。死んだ人間の目的とは、なんだ? 何かやることがあるのか?=


「家に帰りたいに決まってるだろ!」


 感極まってアキラが叫ぶ。


=……ああ、そうだったな。その方法を探すのは、確かに目的だ=


「しっかりしてくれよ、って、いや、ちがう。ごめん」

=何を謝る?=


「俺が死んだのを助けてくれたってのは、感謝してる。まだ全然、実感湧かないけど」

=それは別に、かまわない=


「いや、うん。だからさ——そうだ。だから聞いたんだ。俺、どうすればいい? 何をどうすれば、地球に。日本に帰れるんだ? まったく別世界ってわけじゃないんだろ? 英語も日本語も入ってきてるって言ってたじゃないか。いろんな文化とか技術とかさ」


 座り込んだまま胸の前で両手を構え、見えない相手に堰を切ったように話すアキラを、声がなだめる。


=順序立てて話をしよう、アキラ=

「うん……うん」


=私は実験的に、いろいろな生物をこの世界に転送した=

「そう聞いた」

=そして事故があって、私はお前をこの世界に転送した=

「そうだね、そうだ」


=つまり私は、地球からこの世界にしか、生物を転送したことがない。逆のことは、まだやったことがない=

「……うん。そうなるけど、でも、一緒じゃないの?」


魔力マナが関わっているから、おそらく一緒ではない。地球には魔力マナがない。水の中に物を落とすのと、水の中から物を引き上げることが、可逆的な行為とは私には思えない=


「ああ、なんか言ってたっけ、アストラとか、なんとか」


=そうだ。事象元アストラ物理元アトラス——まあ、ざっくりした分類で言うと『時間の四次元』と『物質の三次元』を結びつけている接続ブリッジ粒子が『魔力マナ』の正体だと私は考えている。だから地球では通常できない『生命の転移』が可能になるのだ=


「生命って、無生物も地球じゃ転移できないじゃん」


=そうだ。地球上では無生物のしかできない。情報データを読み取って再構成する方法しかない。生命はそれではダメだ、生命起源事象元アストラクオリア——生命が作り出す個別事象、いわゆる『魂』があるからだ。無生物でも事象に記録スタンプされたアイデンティティの問題があって厳密なができない。テセウスの船だ。魔力マナのある世界なら事象元アストラへ接続できるので、魂を移動するための干渉力を加えることができる。難しいか?=


「ちょっと難しい。でもなに? 魂って、あるの?」

=うん? あるに決まってるじゃないか=


「えええ……そんなはっきり言われても」

 いきなり自称コンピュータの声から、魂の存在を当然のごとく言及されてアキラが戸惑う。


=私も量子化するまでは確信がなかったが、今ならわかる。簡単に言うと、魂とは連続した時によって繋がった自己独立系の事象のことだ。そのひとかたまりの時間は『四次元側』に干渉しないと見ることも触れることもできない。だから物質世界では魂の存在は見出せない。界が、次元が違うからだ=


「脳の中のデータかと思ってたんだけど」

=それは思考と記憶のことだ。魂は時間の中に保管されている。それを魔力マナが明確に波動データとして捉えられるから復活も転移も可能になるのだ=


「ええっと……事象元アストラに魂があって、魔力マナがあれば魂ごと移動できる。そういう理解でいいんだっけ」


=まあ、おおむね問題ない。本当は『お前の世界レイヤークオンタムごと』が正しいが、でもそこは、今はいい。問題は、あの夜一時的に地球に魔力マナが降りてきたおかげで、地球からこの世界までずっと『魔力マナのある状態』でお前が存在していられる、ということだ。ここは『水の中』なのだアキラ=


魔力マナのない地球には、このままでは帰れない?」


=わからない。完全に死ぬかもしれない。魂だけ置いていかれるかもしれない。お前という存在が分裂するかもしれない。そして、なにごともなく帰れるかもしれない=


「じゃあさ。地球でやってたようにさ。まず他の生き物で試すとか」


=動植物で個別世界レイヤークオンタム一意性ユニークネス——魂の同一性クオリアをどう外界から判別する? 『お前』が『お前のままで』転移しないと、意味がないのだぞ?=


 アキラが立ち上がった。よどんでいた表情に少し生気が戻っている。


「わかんないけど、わかった。情報が足りないんだ」

=その通りだ=


「何を調べたらいいんだろ?」


=所長の言葉を憶えているか? お前がアイルタークの商人を名乗った時は、おとなしく国へ帰れと言った所長が、魔法を使う異邦人と知ってから言葉を変えたな=


「ああ。『シュテのターガ』だっけ」

=猫の娘は『聖域』と言っていた。所長は、そこに行け。と=

「親切心、なんだよね」

=だろうな。だからまずはそのターガという街の情報を——=



「やっほお。一人だよねアキラくん?」


「え! ええ、はい!」

 びっくりしてアキラが振り向く。


 格納庫の前方入口よりひょいっと長い耳を覗かせてリリィが顔を出す。


 ちょっと悪戯っぽい顔をして、それから両腕を後ろ手に、アキラに寄って少し上目遣いに、じぃっと瞳を見つめてくる。


「あ、あの? どしたの?」

「うーん? ふっふっふー」


=……しまった、アキラ。ここは開放されていた……=

(え? どういうこと?)


「一人で誰と喋ってたのかなあ? アキラくんは?」

(あああああ。耳が。声が。そうかあ。そうだよなあ)


 アキラの首筋に冷や汗が流れる。それを。リリィが見逃さない。


「えやっ!」「わっ!」


 だんっ! と。リリィが胸元に飛び込んでそのまま、アキラを鉄の壁に追いやる。ぎゅっと両手で肩を掴まれ押さえつけられて、まったく身動きが取れない。

「え、え、ちょ、ちょっと? わっ」


 リリィが首筋に顔を埋めてくる。ぺたっと。頰の真っ白な産毛と、そして鼻先をぎゅうっと、アキラの首に押し付ける。顔全体をアキラの首元に埋めたまま、リリィが喋る。


「尋問ひまふ」「ふひゃっ」

「これはまっとうなお仕事なのれふ。嘘は匂いでわかりまふ」

「く、く、くすぐった……リリィさん」


「チキュウって、なんれふか?」「えっ」


=星とか言うなよ。大陸と言っておけ。どうせバレないだろう=


「あ、えっと、チキュウね。チキュウ大陸。俺の、故郷です」

「……ホントに?」「う、うんうん」


「ふんふんふんふんふん」

「あっはははははははっ」

 リリィが無茶苦茶に首筋を嗅いでくる。

 

「くりあ。」「はあ、はあ、はあ……こ、これ続けるの?」

「チキュウには、マナが無いんれふか?」


=うーん、それも聞こえたか。もう適当に言っておけ=


「そう。そうなんだ。とても貴重で」

「ふんふんふんふんふん」「ひひひっひ、ちょ」

「くりあ。うふふふ」「はあ、はあ、はあ」

 抱きついたリリィの足が交互にぱたぱたと動く。


=お前も大概鈍感だな=

(な、なんだって?)


「ほれで、だれとしゃべってたんれふか?」

「え?」

「だえと。しゃべってたんれふかぁ?」


 リリィは喋りながらきゅっと顔をひねって、こちらをじっと見てくる。


「えーと、うーんと、……守護霊?」


=は?=

「は?」


「うん。そうそう。守護霊」

 リリィが顔を引いてほうける。アキラは早口でまくし立てた。


「いやあのさ、俺の田舎ってさ年に一度ね死んだご先祖様が帰ってくるんだよね、でも時々なんていうかね帰り道わかんなくなっちゃってそのまま居ついてしまう人もいてさあ俺に憑いてんのも死んだじーちゃんなんだ困ってます、あははは」


=大丈夫かオマエ=

(うるっさい。しょうがないだろー)


 一瞬固まったリリィが。ぶわっとアキラのシャツを引っ張って顔を埋める。

「ふんふん! ふんふんふんふん!」

「あっはははやめやめリリィさん、ちょっ」


「あ、つい本気で……ホントなの?」

「はあはあ、ほ、ホントだって」


シュテのターガに行きたいの? でも僧院はラーマだよ?」


「えっ!」

=なんだと?=


「あ。これはほら、今聞こえたんじゃなくて。アーダンを出る時に下からオジサンが叫んでて——」

 話すリリィを遮って。アキラが今度は彼女の両肩を掴んだ。


「どんなとこか知ってるの?」

「う。うん。まあ。シュテの都だよね」

「場所もわかる?」

「わ、わかるし。それに。それにね。艦長はね。僧院とは仲良しのはずだよ」

 突然の真剣な表情にリリィが気圧されながら、続ける。


「『魂』のことだったら、僧院のラーマがいいんじゃないかなあ? ターガは魔導会の本拠地だし」


「僧院……魂のこと……」


=アキラ。ちょっと待て。話したいことがある=


「どうやって行くの? ここから遠い? 俺でも行ける?」

「う、うーん。すっごく遠いし、その……無理かなあ」

「どうして?」


=待てアキラ。=


「ウォーダーがね……艦長と話す?」

 ウサギが困ったような顔をする。


=アキラ!!=


「わっ! どしたの?」

「なに?」

「あ、いや、またほら霊がね」


「ああ、おじいちゃん?」


=おじいちゃんになってるじゃないか!=

(そこはいいじゃん。なに?)


 アキラが左のこめかみに手を当てて、壁際に座り込んだ。

 合わせてリリィもすぐ隣に腰を下ろして、今はもう竜紋も消えて黒髪が垂れただけの、アキラの横顔をじっと見る。


 ずっと。いつもずっと何かしら、ふざけた雰囲気の彼女だったはずだが。今は妙にしおらしく、そしてやや顔が上気している。


=ウサギはいいのか? 少し長い話になるぞ=


「えっと。長くなりそうだけど、大丈夫?」

「うーん? うんうん。見てる。えへへ」


 外を流れる竜脈の、照り返しの薄明かりをほんのりと顔に受けてリリィが笑う。嬉しそうにしている意味はアキラにはわからない。が、問題なさそうなのでちょっと笑顔を返して声に集中する。


(で、どしたの?)

=私の行為は、目をつけられてしまったらしい=

(え?)


=流れができ過ぎているとは、思わないか?=

(流れ? なんの流れ?)


=まず私には疑問というか、引っ掛かりがあった。お前が地球から転送されて、なぜか東方のアーダンの砂漠に転移された件だ=


「うん? あれってこっちが場所を決めたんじゃないの?」

「……?」

 ウサギは横から覗き込む。


=決めていない。そんな時間はなかった。私は竜脈から26億ジュール引っ張ってお前を丸ごと大陸に送り込むのが精一杯だったし、特に座標も定めていない。どこに墜ちようが生存サバイブさせるつもりだったからだ。ただ帝都ルガニアから魔力を引き込んだのであれば、もっと転移座標が西に近くてもおかしくなかったはずだ=


「でもの前にもさ」

「えっ!」


=お前、声が出てるぞ=

「……あ」


 神妙な顔で、アキラが口に手を当てた。リリィが、きゅっ。と。

「あの、リリィさん?」

 アキラの袖を掴む。


「声。出していいよ? 話しにくいんでしょ?」

「うん、だけど、その。俺の声だけ聞いてもわかんないし」

「いい。聞きたい。私にも聞かせて。その話」


 愛らしさはそのままに、おどけた様子は消えている。上気した顔に真剣な眼差しでリリィが訴えてくる。


=アキラ。任せる。誰を信じるかは、自分で決めろ=


 声に言われて。少し深い呼吸をして。アキラがもう一度こめかみに手を当てる。


「——。あれも場所を特定してないの?」


 リリィの目が。まん丸に見開かれた。


 理由を知っている、なんて。

 そんなものではなかった。

 あれは、この青年たちの、しわざだったのだ。


=そうだ。あれが東方砂漠の連続爆縮などと帝国に騒がれているのは、お前と一緒にこちらに来て初めて知ったことだ。そしてお前は、転送直後に彼女らに出会い、魔法陣を仕込まれた=


「そうだね。リリィさんと、あの猫の人、ミネアさんと」

「えっ、えと。その。あたしたち?」

「あのさ、俺を見つけた時って、どんな経緯だったの?」


「えっとね、あのね。要塞に侵入してた艦長に契印シールを届けなきゃいけなかったんだけど。なかなかいい人が見つからなくって」

「それで?」

「それでね。もう時間がないからどうしようかって話してたにね。あの大爆縮が起きたって連絡が来てね」


=あの爆縮は、彼女らの進行方向だったか?=

「進行方向って? どういう……」


=あの広大な砂漠で、お前は、、という意味だアキラ=


「俺って、リリィさんたちの進行方向に現れた?」

「うん。ほんと偶然」


=偶然か? 私の無作為な実験の転送先が、なぜかすべてアーダンに集中して、そのアーダン要塞の所長はシュテの出身だぞ=


「そ、それは偶然でもおかしくないじゃないか」


=そのシュテに面識のある艦長が要塞に侵入したタイミングで、東京に竜脈が押し寄せて、この世界に。彼女らの目の前に。お前が落とされたのは?=


「だって。偶然じゃなけりゃ、なに? 竜脈が、なにかしたってこと?」


 こめかみを押さえながらアキラが話す横で。

 見ているリリィの全身が汗ばんで、鼓動が高まっていく。理由はわからない。だが。それは獣の勘だったのか。


「ア、アキラくん」

 大事なことを、伝えないといけない、と。リリィは感じて、声を発した。


「シュテはね。シュテには、竜脈の源流があるんだよ」

「……源流?」





——ヒゲではなくて、

  腕でも伸ばしたんじゃないかなあ。


  何かを、んじゃないかと、

  そう思ってるんだが、どうかね?——





=これは召喚だ、アキラ。竜脈が、我々を呼び出したのだ=


? ? ?」


=そうだ。きっと、シュテまで来いと言っているのだ=


 話すアキラは気づかない。隣のリリィがぎゅっと。彼のシャツの二の腕を、震えながら両手で握りしめていることに気づかない。


 この青年は。


 この竜紋態ドラゴニアを発現させる人間の青年は。とんでもないことを言っている。『竜脈に召喚された』と、確かに、そう言っている。


 26億ジュールは、竜脈の支流に相当する莫大なエネルギーである。


 そんな魔力を扱える無限機動も魔導機も、そして魔導師も、この世にはいない。いないはずなのだ。

 できるかもしれない、扱えるかもしれない、そう思える人間なら、ただ一人知っている。リリィだけではない。それは皆、知っている。


 黒騎士グートマン。あの凶悪な男しか、いない。


 光壁アムラクノス


 死門クロージャ


 契命イグノラム


 天雷バベル


 ノエルの使途不明呪文ジャンク=スペルを一人で四つ所有する帝国ガニオンの化け物である。国の仕組みを塗り替え、大陸の版図を塗り替え、もはや打ち倒そうと拳を上げるものもいない、騎士ナイトを名乗る最凶の魔導師。


 グートマンならあるいは、扱えるかもしれない。26億ジュールとは、それほどの魔力であった。その大爆縮を『起こした』と。


 そう目の前の青年は言っているのだ。『竜脈に召喚されて』それをした、と。ぎゅうっと彼の右腕を掴んだ指が、汗ばんでいく。


「でも。それだったら。いや。おかしいじゃん。なんでそんなメンドくさい真似するのさ」


 横で見つめるリリィを余所に、アキラが内なる声に話し続ける。


=最初からシュテに降ろせ、と?=

「そうだよ。こんな砂漠じゃなくったって」

「ア……アキラくん」


=簡単だ。この蛇に我々を乗せたかったのだ=


「この蛇に? なんで? 目的は?」

「アキラくん。あの!」


 やっとのことで、リリィが絞り出すように声を出す。アキラの声が止まって、こちらを向いた。視線が合う。

 まったくの見当違いかもしれない。アキラの身に起きたこととは、それは全然関係のないことかもしれない。断られてしまうだろうか? 


 目の前の青年は、呆れるだろうか?

 ウサギには当然。聞こえていたのだから。



——「家に帰りたいに決まってるだろ!」——



 それでも。


 運命かもしれないのだ。

 彼はその為に来たのかも、しれないのだ。


 だからリリィが意を決する。



「アキラくん。ウォーダーを助けて。お願い」


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