乳王〈後編〉
王子の両腕と両乳は、
バスティ王子の右には、弾力のありそうな巨乳をぶらさげた
乳王は彼乳一谷だけを残し、脇に控えていた他の
「こんな騒ぎを起こして、
乳衣から突き出んばかりに膨らんだ双つのパイの実が、プルンと揺れた。その乳首と乳輪は、王子を威嚇するかのように固く尖っていた。
「育て方を間違われましたな、乳上」
「これ、そちが申すでない」
双玉座の下の乳毯は色濃く染まり、
「そちはもう立派な成乳じゃ。明日には儀礼を済ませ、乳渡りの旅に出るのじゃぞ? それをわかっておるのか?」
「はて? 乳渡りとは何のことでございましょう?」
「ぺたなことを申すでない。乳渡りは、王家を継ぐ者の定めなのじゃ」
「では、わちは乳王様の乳を呑んだことがございませぬゆえ、そのような定めに従う
「またそれを申すか……」
乳王は、手元の
「そちには
「それは嘘にございまする。わちは乳上から一滴たりとも乳汁を頂いた覚えがございませぬ。
乳王の超巨大美乳が微かに震えたのを、王子の眼は見逃さなかった。
「ともかく、罰は受けてもらう。フェリン、こやちを乳縛り部屋に」
「
隣に控えていた若乳が立ち上がり、乳縄で縛られた王子を起こして立たせた。
王子は怒りの収まらぬ乳首を乳王の方へ向けながら、部屋の外へと連れ出されていった。
ω ω ω
天頂まで上ったπ
「うーん、八十……」
窓もなく薄暗いお搾り部屋の中で、王子は一睡もせずに
ちょうど八十一対目を数え終えたところで、戸を叩く音がした。
「乳王様のお許しが出ましたので、乳縄をお解きに参りました」
戸の向こう側から聞こえてきたのは、王子の世話係を務めていた乳守ラクト・フェリンの声だ。
「遅い、早よう」
入ってきたフェリンの手によって、小さな乳房が解放された。
だが自由になったにもかかわらず、王子の乳は相も変わらず
「なぜ乳上は、わちにだけ乳を呑ませてくれないのじゃ……そちも呑んだことがあるのじゃろう?」
「えぇ、何度か。病に伏せた際に頂きました」
どんな乳臣の子も、どんな乳官の子も、どんな乳民の子でさえ、両親の乳を呑んで育つもの。
にもかかわらず、バスティ王子は乳王から授乳をされた記憶が一滴も無かった。乳君から乳を吸ったことは幾度もあれど、
機会があるごとに、何度も吸わせてもうおうと頼んでみたのだが、一向に
もしかすると乳上は、自分の本当の乳親ではないのではなかろうか。
そんな想いに苛まれてしまうと、どんなに美味しい乳を呑もうが、途端に味がしなくなるのだった。
「にゅるい! にゅるい! にゅるいぞ! どんな味だった?」
「それはそれは濃厚な乳の塊で、喉がつかえてしまうかと思われるほど。あのような乳は、渡来の者からも呑んだことがございませぬ」
「よいのぅ、よいのぅ」
「明日の儀礼では、さすがの乳王様も御πを呑ませてくれましょう。成乳の儀でお振舞いになるため、今は
「生まれて初めてで終いの一口か……乳上は、
王子はフェリンの乳房をまじまじと見つめた。それは乳王や乳君のものと比べると小さかったが、そこらの乳臣のものよりは遙かに大きな美巨乳だった。
そしてまた、その乳の魅力は大きさばかりではない。弾けんばかりに張った若乳は、垂れることなく前方へと突き出ており、胸元に深い谷間を作っていた。乳豊かなプロティーン王国と言えど、フェリンの抱える両の乳房ほど美しいものは存在しないと、どの乳臣たちも褒め称えていた。
「そち、また乳房が膨らんだのではないか?」
「
「どれ、味見させぃ」
「これより
「一口だけ!!」
「……はぁ。それでは一口だけでございますよ」
王子はフェリンの乳衣を下にずらし、彼乳の左乳を露わにすると、鼻孔をくすぐる濃密な香りに唾を飲み込んだ。
艶めき、張りのある若乳が、吸われたそうにこちらを見つめている。
いてもたってもいられなくなった王子は、その乳輪ごとブチュッと口に頬張った。
すると、吸う間もなく勢いあまった乳汁が迸り、口いっぱいにフェリンの温もりが満ち満ちていくではないか。
その濃さは朝方に呑んだ乳臣の乳汁の比ではなく、もう少しで貴重な乳汁を吹きこぼしてしまいそうになるほど。
暖かくも濃厚な
「うむ。まったりとした優しいとろみの中に、舌を抱きしめるような旨みと、しめやかな、忍ぶような甘みが含まれておる。幼い頃から馴染んだ味じゃ。どれ、もう一口――おっと」
フェリンは王子の口が乳房から離れたのを見逃さずに、乳衣を捲り上げた。
「なりませぬ。乳渡りの旅に出た暁には、毎日のようにそのお口元へと御πを捧げますゆえ」
王子は口を尖らせながらも、その場は吸い下がった。
自分と同じく、フェリンが一度言い出したら聞かない性格だと知っていたからだ。
「ならば危険を承知で乳渡りへと出立せねば。その乳を呑み干し、平らになるまで萎ませてくれようぞ」
フェリンの美巨乳が、嬉しそうにポヨンと弾んだ。
「そのお言葉、どうかお忘れなきように」
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