第135話 勇気を出して
ーー呼ばれてる。
ーーやっぱり知っている。
ーー誰だっけ…?
ーーわからない。
ーーでも懐かしい。
ーー懐かしい…?
ーー誰だ…?
眼が覚めると俺は布団の中にいた。部屋は豆電球だけが点いている。辺りを見渡すと右にアリス、左に美波と牡丹がいる。やっぱり美波と牡丹はクソ可愛い。襲いかかりたい。美波は雰囲気がエロいのがけしからんのだよな。牡丹はその巨乳が犯罪だし。お仕置きしたい。
でも今日は楓さんをオカズにするって決めてんだ。取り調べプレイで出すんだ。それが楽しみで今日一日頑張ったんだ。
そんな邪な事を考えながら股間を膨らませていると楓さんがいないことに気づく。
生楓さんの匂いを嗅いでからトイレに行こうと思っていたのにドコ行ったんだ?
俺は起き上がり、楓さんを探しに寝室を出る。するとリビングから明かりが漏れている事に気づく。そのままリビングへと向かい、ドアを開けると楓さんがラップトップもといノートパソコンを使って仕事をしていた。
ノートパソコンを使っている時の楓さんは眼鏡をかけている。その姿が俺の性欲をさらにかきたてる。
エロいなんてもんじゃねぇだろ。その眼鏡にぶっかけてぇな。
「あ、起こしちゃいましたか?」
「いえいえ、自然に目が覚めちゃったんです。俺、入替戦終わってから全然目を覚まさなかったんですね。」
「違います。敢えて起こさなかったんです。お風呂も入ったんですから無理に起こさないでそのまま寝かせてあげようって事になって。」
「そうだったんですね、ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
「楓さんは仕事ですか?」
「早くここに引っ越したいですからね。少しでも早く終わるように残業中です。」
俺に会いたくて頑張ってるとかだったら嬉しいんだけどなぁ。そんなわけねぇよなぁ。
「無理はしないで下さいね?楓さんが倒れたりしたら嫌ですから。」
「ウフフ、心配してくれるんですか?」
「当たり前ですよ。」
「…そうですか。タロウさん、少し飲みませんか?今日はまだ一缶も飲んでませんし。一缶ならいいんですよね?」
「一缶だけですからね。」
「ウフフ、じゃあ冷蔵庫からビール持ってきますから座ってて下さい。」
「あ、俺が取って来ますよ。」
「いいから座ってて下さい。」
そう言いながら楓さんはリビングから出てキッチンへと向かった。本当に酒が好きなんだな。まぁ、一缶だけなら付き合うか。今日はヌキヌキできそうにないな。眼鏡装着バージョンの楓さんを撮らせてもらって明日楽しもう。
股間を膨らませながら妄想していると楓さんが帰って来る。テント張ってるのバレないように早く鎮めないと。
「はい、どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ乾杯♪」
俺たちは互いのビールの缶を軽くぶつけ乾杯を交わす。楓さんが幸せそうな顔をしてビールを口に含む。可愛い。
「んー!やっぱり美味しいですね!命の水です。」
「飲み過ぎはダメですからね。自重して下さいよ本当に。」
「むっ!わかってますよ。」
楓さんが不満そうに頬を膨らませる。
何この人、クソ可愛いんだけど。押し倒してぇなぁ。ちょうどソファーだからそのままヤッちゃえるじゃん。息子が元気一杯でご立腹ですよ。
「さっきの入替戦の件ですけど…最後はなかなかインパクトありましたよね。」
「そうですね。あの少年は何だか…歪な感じがします。」
「歪…ですか?」
「七原との戦闘が始まる前と後では明らかに別人でした。多重人格に近いかもしれませんがそれとはやはり違う、脳が2つあるような…そんな感じです。」
脳が2つか…楓さんの説明になぜか納得をしてしまう。ツヴァイが言っていた秘密ってヤツがそれに合致するかもしれない。
「実は楓さんたちが先に転送された後に俺だけ闘技場に残されたんです。その時にツヴァイが三間坂には何か秘密があるって言ってました。楓さんが言った脳が2つって線はあるかもしれません。」
「タロウさんだけ残されたんですか!?何もされませんでしたか!?」
「大丈夫です、何もありませんよ。」
「それならいいですけど…」
心配してくれる楓さんの顔も可愛い。酒が入ってるからか異様にムラムラする。早く切り上げないと本当に押し倒しかねない。一気に飲み干してさっさと寝室に戻ろう。
俺は飲みかけのビールを一気に飲み干し空にする。
「さてと、じゃあ俺は先に休みますね。楓さんも早く寝て下さいよ。」
「……」
「楓さん?」
なんだ…?思い詰めたような顔をして下を向いている。まさか…やっぱり一缶じゃ厳しいからせめてパックにしてくれとか言うんじゃないだろうな…
「…タロウさん、お話があります。」
うわ、やっぱり来たかコレ。腹をくくったような凛々しい顔をしているが俺は屈しないぞ。ガツン言ったるからな。
「なんですか?ダメですからね。お酒は一日一缶って約束したんですから。」
楓さんが軽く深呼吸をして口を開く。
「私はあなたの事が好きです。」
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