第二巻(2019年6月15日発売!)

プロローグ

 

 私がずっと憧れてきた研究者ヴィルヘルム・フロイデンベルク博士の正体は、竜。

 竜のことを知りたくて私は研究者になった。

 彼のような研究者になりたくて、私はヴィル博士が所長を務めるルルイエ幻獣研究所に入った。

 ――でも。

 彼と結婚したいなんて、一度も思ったことはない。そもそも交際していないし、竜と人では種族も違う。


 婚約指輪も結婚式も二人の新居も何もかも。私たちには不要だと、何度言えばわかっていただけますでしょうか。

 お願いします、お願いですから、どうか穏便にお引き取りください……。


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