第10話

問題をすり替えてんじゃねぇよ、オヤジよぉ」

「いいから、早くこっち来いや 大河」

親方は、大河さんの腕を掴むと、ぐいぐい引っ張って俺がいる親方のベッドまで来たんすよ。

「さぁ、颯太 おめぇが惚れてる大河さまを連れて来てやったぞー」

「オヤジさぁ、俺は 颯太にちゃんと告ってから、付き合い始めようって思ってんだよな。だから、余計な事はしないでくれっての」

「大河よぉ、手っ取り早く盛りあって相性がいいか確かめろっつーの」

親方は、大河さんの背中を思いきり押して ベッドの上に大河さんを倒れ込ませたんすよ。

「相性がよくねぇと、一緒に居てもつまんねぇだろ?」

真っ裸の俺と六尺一丁の大河さんがベッドの上で重なり合っちまったんすよ。

「そ、颯太 えっと...」

「はい」

「俺とだな...えー」

「大河、何言ってるかわかんねぇぞ! 好きだとか惚れてるとかはっきり言えや」

「わかってるって オヤジ!! 今 言うから!」

「颯太 俺はお、お前の事が、す、好きだ!お前は、ど、どうなんだ?」

大河さんは普段からは考えられないくらいの慌てぶりでこれだけ言うと、息をきらせた時のように、はぁはぁ言ってたんすよ。

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