あの頃
道を歩いていると、ヤナギモトと遭遇する。
ヤナギモトが乗っている超小型トラックに、僕も乗り込む。
カーナビに従いながら家に向かって進むと、あまり車が通らない田舎の人道をバンバン進む。ここが最早どこかも分からない、人の道ではないところをバンバン走る。
畑や田んぼの中をぐんぐん進んでいくので、僕は家主に申し訳なく謝り続ける。あまりにそんな強行を続けるので、僕が軌道修正してなんとか普通の道に戻す。
超小型トラックなら行けるだろうと高を括って、滑り込むように脇道に入ると、塀をぶち破った。
すっかり鉄屑とかしたトラックをその場に放置して、民家の庭を通り過ぎ、そのままその家の倉庫に入る。するとそこはデジタル打ちっぱなしゴルフカラオケになっていて、そこにはたくさんの人がいた。
となりの部屋はプラモ屋で、これは昔から変わってない。このゴルフのおかげでとなりのプラモ屋にも人がたくさんいて、繁盛しているようだ。
ただこの部屋はかわらず倉庫なので、釘壺と釘棚がところ狭しと並んでいる。頼まれていた釘を一掴みにするとそのままポケットににねじ込む。釘がチクチクと手に痛い。気をつけないと前みたく血だらけになる。
そのままヤナギモトを連れて、急いで店を後にする。そのまま住宅街にでると、ヤナギモトが二人の見知らぬ子供になっていた。
ポケットの中の釘がじゃまだったので、ここで捨てて行きたい。
そう思って、ポケットからバラバラとポケットの中の釘を捨てると、大小の釘が散らばる。
子供1「あ!ごめんなさい!」
子供2「すいません!ひろいます!」
なぜかその2人の子供が謝りながら拾い集めてくれるので、急に申し訳なくなる。
僕「いいから、いいから」
子どもたちが拾おうとするのを手で制しながら、足で先ほどばら撒いた釘を踏みつける。その拍子に、すべて釘が地面に打ち付けられた。
そのまま家に帰ると、妹とその友達、高校の同級生イチカワ、アユカワが並んでいる。昔はよくいたメンバー。久し振りのメンバー。
妹の友達は、昔から僕の会話の返しを好意的に感じてくれているらしい。
妹の友達「タナカのにーちゃん連れてくと楽しいよね、きっと!」
すると、昔なぜかアップロードした僕の歌って踊る動画の話に発展し、非常に恥ずかしい。早くこの話題は終わって欲しい。
了
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