第11話 転落人生の幕開け

「頼む!この奇病の治療法を確立すれば金は直ぐに返せるんだ!」





土下座、最後の便りである親戚の前で土下座をしながら俺は借金を申し込んでいた。


謎の奇病、全身に突如激痛が走り続けその命を奪っていく…致死率100%その病気の患者が偶然にも知り合いの病院に現れたのだ。


そして、俺にはこの病気に対する一つの仮説があった。





「資金さえあれば沢山の人が助けられるんです!」





この奇病の正体は人体の細胞内に存在するミトコンドリアの変異と推測していた。


そして、それを裏付ける幾つかの過去のデータもあり、対策も出来上がっていた。


後は金さえあれば…





「分かったよ、今回限りだぞ」


「ありがとうございます!」





これで俺の名は医学界に轟くこととなる、金なんて後から幾らでも手に入る!


自らの勝利を確信した俺は、その足で病院へ向かう、だが俺を待っていたのは転落人生の始まりであった。





「はっ?突然治ってた?」





発症したら100%死ぬ病の筈が、完治して退院したと言われ固まるのであった。

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