第8話 一人孤独に…

光が見えた。

ドアを開けるとまばゆい光に包まれて後ろへ押されたのが最後の記憶だった。


「大丈夫ですか?!大丈夫ですか?!」


ユサユサ寝かされた体が揺れる…

何処かへ運ばれている感覚に気付き目を開こうとするがまぶたが開かない…


「ぁ…ぁぉ…」


声を出そうとすると喉が焼けるように痛む。

それでも必死に意識があることを伝えようと手を上げる…

だがあまりの痛みに浮かせた手を直ぐに置いてしまう。

一体どうしたのかは分からない、ただ自分が大怪我を負っているのだけは分かった。

そのまま意識は再び闇の中へ沈んでいった。





ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…


気が付いたら全身包帯でぐるぐる巻きになった状態で寝ていた。

少しだけ開いたまぶたから見えた自分の体に思わずミイラ男を想像した。


ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…


継続的に聞こえる機械音が自分の脈拍を知らせているのは直ぐに分かった。

自分の心臓の鼓動と少しずれて聞こえる音に耳を傾けて目を閉じた。

あの男は誰だったのか…


ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…


あぁ…ワシの人生って…なんだったん…だろ…う……な………


ピーーーーーーー…

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