42時間目。歴史探求部設立


古里さんに交渉した結果、部活を自由に作っていいとのことなので、大崎麻美に報告しておこう

何部がいいかはもう大崎麻美にお任せしよう。部活顧問になることは確定しているがぶっちゃけ中身が無い回避用の部活なので、やることないだろ


タバコ2本分で思ったより早く終わったせいか、普通にHRもできたな。まぁいいか、ミヨキチのHRっぷりでも見てみよう


教室前に着いてこっそり中の様子を見てみる

すると丁度ミヨキチが座る瞬間であった。気をつけろよ。多分そこブーブークッションあるから

そして、ぶーとミヨキチ座ると同時に音が鳴った

さぁ!ミヨキチ!試されるぞ!教師の器が!!ウチのクラス良い子達ばかりだが癖が強いのがいっぱいだぞ!!

というか、クラスの子達も俺が来ると思って準備してたのにミヨキチ来てどうしようかと慌ててるぞ!大崎麻美は机に突っ伏して逃げていた


「ん?あー!ブーブークッションだ懐かしい!!」


しかし、ミヨキチは特に動じることなく椅子の下からブーブークッションを取り出して、子供のように目を輝かせる

流石脳内ふんわりガール


「あっ!駄目だよこんなことしちゃ!」


「まいじゃないよ!!?」


何故か犯人は麻倉舞と思ったのか麻倉舞の方を向いているが、それ犯人大崎麻美だからな。机突っ伏してプルプル笑いをこらえてプルプル震えてる大崎麻美だからな


「出席取りまーす」


出席確認が始まるが、立花弘はいない

少し廊下から外を見ると超絶ダッシュ中の立花弘がいた

そこからならアウトだな。そろそろ遅刻回数やばくね?っていうか走るくらいなら一本早い電車乗れよ!!今度の三者面談できちんとご両親にお伝えしておこうかな


「立花弘くん…は遅刻だね。はいぺけ!」


階段を駆け上がる音が聞こえる


「いますいますいますいます!!!!!」


叫びながら

体力あるな立花弘よ

廊下をダッシュして教室に向かってくるが廊下にいる俺に気付いて急停止


「いないから、お前遅刻だから。あと廊下を走るな」


「いや!!ちょっと電車が遅れて!!」


携帯の乗換案内アプリを起動。遅延情報を確認するが本日は平和である


「ないぞ」


「…寝坊しました」


「ったく、きちんと朝起きなさい」


教室への入室を促す


「ハラワタ先生は入んねえの?」


「んじゃ入るか」


立花弘にも言われたし、そろそろ入るか。手持ち無沙汰だったし


「出席確認助かったよ田中先生」


「あぁ原田先生。こちらこそ!!出席確認って担任っぽいですよね!!楽しかったです!!!」


「多分来月ウチのクラスの副担任になるからよろしく。理事長が言ってたから確定」


別に隠すことないし、通知を伝えると目が物凄い勢いで見開いた!クワッ!!ってレベルで見開いて、何かトリップした。ちなみに副担任になっても給料変わらないからな


「えっと、HR終わったから連絡事項だが、昼休みか放課後好きな方で良いから大崎麻美は職員室に来ること、以上。次の授業は体育だからちゃっちゃと準備しろー」


「あー、放課後行きますねぇ」


プルプル状態から復活した大崎麻美がいつも通りの表情で了承してくれる。これで何とかなるかな




「あれ?今日弁当なのか?珍しいってか初めてじゃないか?」


お昼休み。いつも通りに雄太郎に飯を誘われ学食へ。

ただ、今日は学食ではなく、弁当だ

対面に座る雄太郎はいつも通り、ラーメン

俺は朝作った弁当、冷食とちょっと手料理を入れた手抜き弁当


「あぁ、しばらくは弁当かな。今妹家にいて一人分の弁当作るの面倒だし二人分」


「妹いるんだっけか?」


「いるぞ、少し歳は離れて17歳の」


へー、とウチの家族構成に少し興味がわいたらしい雄太郎

普通の家族構成だけど


「雄太郎は一人っ子なのか?」


「そうそう、上か下かどっちか欲しかったんだよなー。写真とかあるなら見せてくれよ?」


「ほい」


携帯を少し操作すると妹の画像はすぐに出てくるので、表示して雄太郎に画面を向ける

ちゃんと服着ている写真である。というか、高校入学時の写真だ


「あんまわたると似てないんだな。ってか普通に可愛いな」


は?


「手出したら殺すぞ」


「こっわ!!え!?今めっちゃドス効いた声だったんだけど…」


俺は別に気にしない。多分、うん、地面に空間転移で埋めそうだけど。思ったんだが空間転移で2m地面に埋めれば確定で勝利できるのでは?いや…完全に相手死ぬ奴だ。やめておこう犯罪はダメ絶対

だが、親父には確定で殺されるだろう

いや、別にね。うん。ななみがちゃんと良い人を見つけて、その相手が素晴らしい人格者だったら多少受け入れづらいが、まぁ俺は許そう

だが、親父は許さないだろう。多分死ぬぞマジで


「いや、気のせいだ」


「お前シスコン?」


「んー普通じゃね?」


比較したことないけど、普通だと思うかな


「ふーん、そんなもんか」


そんなもんだ


「先生…助けてくださいぃ」


ガシッと右手を掴まれつつ、隣に大崎麻美が座る

顔が未だかつてないほど疲弊している


「あぁ勧誘か」

「あー大崎さん体育祭やばかったもんなー速い速い」


「へるぷでぇす」


俺から弁当をかっぱらって何故か食べ始める

待って、それ俺の!?

あぁ、勧誘がしつこくて飯食えてないのか。俺の飯どうしよう


「ほい、放課後に言うつもりだったけど、とりあえず渡しておく。名前はテキトウに書いておけ」


「…んー、じゃあーこれでいいかなぁ。よろしくおねがいしまぁす。うまうま」


返された紙を見ると

部活名:歴史探求部

に決まった。そしたら活動内容はこんな感じで良いか

活動内容:様々なモノの歴史を探求し、自身の糧にすることで学生活動に新たな側面で潤いを与えること。


「あー、回避用の部活か」


「そうそう、何やるかは特に決めてないから大崎麻美が決めるまでは帰宅部と同じ扱いでいいから」


「はぁい。そういえばぁ願い事なんですけどぉ」


弁当を完食した大崎麻美が弁当箱を俺に突き返す

これ絶対午後の授業お腹減るやつやん


「もうちょっとあとででもいいですかぁ?意外と決まらなくてぇ」


それは全然かまわない。ぶっちゃけ何時でもいい

小銭入れを見ると300円。たらふくラーメンは食えるな。だがそうするとタバコの時間が無くなる

菓子パンでも買ってタバコ吸いに行くかなぁ




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