40時間目。交渉
昨日購入したての布団から起き上がる
購入したてってフカフカしてるからいつもより、疲労が取れてる感が凄い…きっと気のせいだけど…
いつもよりは早く起床
顔洗って歯を磨いて、といういつも通りのルーティンに加えて今日からはななみ用に弁当を作らないと
米は昨日予約かけておいたので炊いている
チャーハンとから揚げ、ひじき、玉子焼き…ベーコン中に入れてオムレツ…
野菜どうしようか、もやしでも入れておくかもやしとベーコンでいいか
一人分作るの面倒だし、俺の分も作っておこ。昼飯代が浮くには浮くが、結局食堂のおばさんに色々追加サービスしてもらえるので、ぶっちゃけると出費はマイナスだ
貯蓄はあるにはあるが、カメラ代が響いてるので贅沢はあまりできない
朝飯はシリアルでいいか
というか起こせと昨日言われたから起こすが、本当に起きる意味あるのか?こいつどうせ昼ご飯が朝ご飯になるだろ。いや三食ちゃんと食べようとしていることは豪いことなんだが…
カタツムリ状態からは脱却している…しかし、布団を引っぺがしてナメクジに移行している。お前下着で寝てんだから股開いて寝るなよ馬鹿か
「おい、ななみー起きろ」
「んんんぁあああ」
本当は歯磨きとかしてほしいけど、朝飯だけ食べさせよ
肩の下を通して引きずって移動。椅子に捨てる
スプーンを握らせれば勝手に食べる。丁度いい時間だし、着替えも済ましたし行くかな
「ぉおおにい…」
忘れてた、テーブルで死体になってるこいつをベットに運んで布団をかける
「あぅうういあしゃい」
寝ぼけながらもベットからお見送りされる
一人暮らしが長かったし、こいつ家出するとき金曜日から日曜日の夜までだからこういうのは久しぶりだな
「行ってきます」
なんか少し嬉しいな…さぁニンちゃん。今日も頑張るぞー
朝礼が始まる前に、ミヨキチに少し相談事があった
早く来ても昨日プリントの見直しを終えているので、時事ニュースを見てミヨキチの出社を待つ
「おはようございます」
「おう、おはようミヨキチ。すまん、HR時間帯暇だよな?」
時間ギリギリに来る教師は少ない、ミヨキチはかなり早く来るタイプだ
今クラス担当でもないので、HRは職員室で世間話をしているはず
「あれ?何か今日は機嫌凄い良さそうですね。どうしたんです?」
…?
いや、いつも通りなんだが、期限良いか俺?
「一つ頼み事があるんだけど、HRの時間に理事長と話が合って、俺の代わりに出席取っておいて欲しいんだけど頼めるか。連絡事項は特になし」
出席簿を取り出す。今日は急ぎで古里さんに相談事があるので、HRの時間を使っておきたい
「っ!!任せてください!!」
ミヨキチは俺から出席簿を受け取り、少し興奮気味にテンションが高くなる
わかる。これは担任っぽいことだもんな。そりゃ嬉しかろう
「いい子たちばっかだからあれだけど、立花弘に関しては容赦なく遅刻食らわせておけ。あと本田ほたるはアホだから。あと大崎麻美の悪戯には注意しろ」
「わかりました!!」
ミヨキチが凄い良い笑顔で頷く
そして朝礼が始まる。何とか今日はクジに打ち勝ったので罰ゲームは無しだ
終わったらすぐに古里さんとこに向かう
「古里さんすいません。ちょっとお話良いですか?15分もかからないんですけど」
「良いけど、お前HRどうすんだ?サボりなら極刑だが」
極刑は止めてください
それただの死刑と同義ですから。僕は何をすればよいんですか?精神操作されて奴隷ですか?それとも植物人間ですか?
「田中先生に代理を頼んでますから大丈夫です」
「あー、なるほど。ちゃんと考えてんだな。んじゃ喫煙所でいいか」
古里さんもタバコというか、キセルを吸うので喫煙ユーザだ
「わたるは田中と仲良いのか?」
喫煙所までの移動でキセルの準備をしている古里さんから世間話という感覚で聞かれる
俺もタバコの準備は済ませてるから吸う準備は完了していた
これは多分ミヨキチに良い話が降ってくると思うので、ちゃんと話しておいた方が良いかな
「そうですね。年代も近いですし、ウチのクラスの子とも仲良くやってもらってます」
「ほーん、じゃあ田中先生に来月の頭からお前んとこの副担任になってもらうか。優秀みたいだし担任願望あるみたいだし、丁度いい」
「わかりました」
ほい、良い話。古里さんは若いからかそもそもの概念が人と異なるのか、私立だからかわからないが自由だ。若いやつがよさそうなら色々と経験を積ませてくれる
なので俺も担任になることができた
喫煙所到着
「んで?要件は?」
「えっと、部活を作りたくて、避難用で。先日の体育祭でウチのクラスの大崎麻美が結構ぶっちぎりの結果出したと思うんですけど、勧誘とか嫌なんでその避難用で部活を一個作ってシェルターにしようかなっと」
「あー、あれ凄かったなぁ!俺も公平感忘れて興奮して応援してたわ、確かにあれは陸上部からすると原石どころか既にカットも終えてるダイヤだから煩わしい感じになるだろうな」
あの記録は本気でやばかった
本人がやる気ならオリンピックも夢じゃない気がするけど、如何せん本人が努力をしない
「何かの能力だと思ったんだけど、ノーマルだったんだよなー」
古里さんが記憶を操作しようとすると俺みたいに能力を持ってると、何かしら分かる形で抵抗が発生するらしい
古里さんはよくそれで散歩しながら探すことがあるらしい。俺もその一人だ。バイクの信号待ちしてた時だから危うく死ぬかと思った
その後古里さんに言ったよ。道路付近でやると人が死ぬということを心底丁寧に
「それで、部活てきとーに作るんですけど、許可下ります?」
「いいぞー許可する。後で正式な書類でまとめて俺に寄越せ。ハンコ押すから。部費が欲しけりゃ書いとけ」
この人は本当に自由人だなぁ。いや、凄い助かるけど
多分普通の学校だとこんなことできないんだろうなぁ
タバコ一本吸い終わる前に要件終了しちゃったよ
「それが要件か?」
「あー、あと一件あるんですけど、ちょっと聞きたいことがあって…」
本題1はクリアしたから次の本題2を話さないとな
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