36時間目。原田ななみ
カラオケの後に飲むかとミヨキチと話していたが、結局カラオケが終わるころには結構酔いが回っていたのでお開きとなった
生徒達とも別れ帰路に、途中のコンビニで酒を購入して帰宅する
「ただいま」
「ん?お兄お帰り」
妹であるななみが風呂上りの下着姿で俺の取っておいたお高いアイスを食べながら出迎えた
俺のアイス!!!!300円するんだぞ!!!?
「だらしない恰好しやがって」
「家だからいいじゃん」
ななみは基本的に家では裸族なので、下着で過ごす
お袋も親父もななみには甘いので、やんわりと服着ろというが面倒ということで着ない
お前思春期だろうに
「はぁ…んで、飯は?」
「まだ食べてない。お兄は居酒屋帰り?」
「そんなもん。てきとーに作るぞー」
「よろしく」
ドライヤーも使わずタオルだけで髪を乾かしながらベットに寝転がり、ゲームを始めるななみ
こいつ…
うちは4人家族で、長男として俺が生まれた
その後に8年ほど時間差を置いてななみが生まれた
長男に対しては放任主義で、自分で育てという家訓のもとに家事などもできるように育てられたが、ななみが生まれてから一転
花よ蝶よと育てられ、俺も下はずっとほしかったので大層可愛がり、生まれた裸族
親父の共学は許さんの一点張りで、中学から私立の女子中学に通い、高校はまた別の女子高に通っている
結構なお嬢様学校ではある。
俺には私立は許さん言ってきたんだけどな…
妹可愛さはあるが、まぁ顔は可愛い方だ
麻倉舞とかレベルの可愛さとは贔屓目無しなら言えないが、整ってる顔してるしスタイルはいいのでモテるんではないか?この家での姿を知らなければ
部活には入っていないが、俺が実家に置いてあるサンドバックをストレス解消で殴ってるらしくそれなりに引き締まっている
ちなみに俺が一人暮らしを始めた瞬間、俺の部屋はななみの第二の部屋となっていた
俺の私物はサンドバック以外は捨てられたらしい
「重いやつ」
「からあげ丼?」
「それ」
からあげをだしで軽く煮込み、卵でとじてご飯にのせるだけの簡単ご飯
俺はカラオケでポテトとか食べたから特に問題ない
「ほれ」
テーブルに置く
料理ができる直前にゲームは一時停止し座るので楽だ
ご飯だからゲームを止めなさい喧嘩は一度もない
ななみ用のエプロンを頭から被せる
「いただきます」
ちゃんといただきます言えるのでまだ良し
プルタブを開けてビールを飲みながら一時停止したゲームを俺が再開
海ステージ嫌いなんだよなぁ
ステージに強制的に戻って、ケツ飛び
奇声を上げながらボスステージへ
その瞬間、飯を食べてるななみから殺意こもった視線が送られてきた
「お兄…それ反則だからなにやってんの?」
「からあげ丼食べきってから喋りなさい」
「っ」
舌打ちされた…まだ、殴られるレベルではない
サンドバックを殴るようになってから、ネットで人体の急所を調べ始めサンドバッグにマジックで大体の人型を作り、急所を殴るようになってからこいつは急所しか狙わないキリングマシーンになっている
顔面を殴るのは良くないということは理解しているのか、天倒(頭頂部)・霞(こめかみ)・水月(みぞおち)の3点が大体の攻撃幅だ
当たると痛い
「御馳走様でした」
「お粗末様でした」
うん、ちゃんと言うの偉い
ななみは食器を洗ってからもう一つのコントローラーを取り出し、俺がボスをぶっころす直前で電源をオフ
「おい!!」
「反則禁止だから。乱闘」
まぁななみのセーブデータなのでしょうがない
そして64の大乱闘が開始される
戦績で言えば俺が7割ほどハメ技ありで10割勝てるので、気楽だ
ななみの使うキャラをハメ技で殺す
「!」
寝ころんでいる俺の腰に踵が落ちる
「いった!!」
「ベット私が使うからお兄は地面」
そのまま蹴飛ばされて地面に落ちる
その間に一機殺される
「かかってこいやぁ!!!」
「は?こっちのセリフだし」
しばらくゲームに勤しんでいると、俺のキャラを気持ちよく吹っ飛ばしたところでななみが切り出す
「家出の理由なんだけど」
「おう」
大体、家出するときは不満がある時である
愚痴を聞いて欲しいので家出して家に来る。大体相槌うって鬱憤晴れたら120スター集めて帰るのがいつもである
「停学1週間食らって」
「うん…?は?」
相槌をうとうと思ったが、聞き捨てならない言葉が聞こえた
停学?あっ、一機殺された
「クラスで4人カースト高いのいて、気まぐれで誰かいじめる子たち何だけど」
黙って話を聞こうかな
丁度勝負が終わったので、酒を持ってくる
女子高ってやっぱりそういうの本当にあるんだな。ウチの子たちは平和だから楽だな
キャラを変えて再戦
「友達が対象になってとりあえずそういうのめんどいから、口で止めたんだよね」
偉い!!殴って止めたかと思った
「それで?」
「そしたら次の日から私が対象になって」
「殺しに行くわ。どいつ?」
良し、古里さんに頼めば何とか証拠は残らないだろ
よっこしよと立ち上がり、首を回す
その間に俺のキャラがボッコボコにされていた
「んで、助けた友達もそっち側にいっちゃって、ムカついて主犯の4人ボコった」
ななみは俺の行動など気にせず、マイペースに俺のキャラをボッコボコにしていた
まぁ、どうせそういうことだと思ったよ。親父も俺も過保護にしてたせいか、そういう話があると直ぐに学校に乗り込もうとするから
とりあえず、ボッコボコにされてるキャラを救出するためにコントローラーを握りなおし、ハメ技で殺す
踵が再び俺の腰に刺さる
「ぐっ!」
でも気にしない。何故なら俺の方が強いからだ
まぁ…4対1でもななみなら楽勝だよな…女子高だし
「具体的には?」
「とりあえず、ゆっくり近寄って間合いに入って油断した瞬間に霞に平手、三半規管吹っ飛ばして水月、ついでにもう一人に向けて蹴り飛ばした。そのあと同じことをもう一人にやって、起き上がってきた子たちを同じようにしてあげた」
うん、ちゃんと身体に傷がつかないようにできたな
「よくやった」
ハメ技で殺してからグッと親指を立てる
その親指が殴られる
「ハメ技禁止」
「っち!」
ハメ技禁止されたら勝率が7割に落ちるだろうが!!
「それから、1週間停学もらって、学校行ったらクラスが全員敵になっちゃって。何かめんどくさいから今2週間くらい学校行ってないよ」
あぁ、重い話か
「パパとママも煩いからお兄のとこ来た」
「なるほどな」
さて、親父とお袋には相談はしないでおくか。連絡は取れてるので安心しろって言っておいておこう
ななみの学費払ってんのは両親だが、そこは関係なし。
「いつまでいる予定だ?」
「ハメ技ありのお兄に10割勝つまで」
お前、永遠にいるつもりか?
「はぁ、そろそろ買いたかったし明日は布団買いに行くか、歯ブラシとか何か必要?」
「歯ブラシと着替え1週間分は持ってきたから、お兄が寝る用の布団くらい?」
俺…ベットで寝れないの?まぁいいけどさ
「あとお前の寝巻な」
「え?めんどくさい」
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