32時間目。ミヨキチとボーリング


ミヨキチって凄い。流石脳内ふんわりガール

友人であるやつを泊まらせるのは何回もあるけど、基本的には風呂入った後化粧するから1時間くらい外でといてって言われるもん

家主なのに何故追い出される…確かにすっぴんを見られるのは嫌らしいので、渋々ながらも家の近くにあるゲーセンで暇をつぶしているが、脳内ふんわりガールは違った


「あー、俺外でてようか?」


バスタオルを投げた後にいつも通りに気を利かせると


「シャワーだけですから10分程度ですし、化粧も5分くらいで終わるんで大丈夫ですよータバコでも吸っててください」


恐らく意味が通じてない

気にしないらしい


さて、そんな感じに時が過ぎて現在家の近くにあるボーリング場まで来ていた

きっかけは、ミヨキチのボーリングで行きましょう!勝負ですよ!という言葉からであった

勝負とあっては逃げるわけにはいかない

友人と賭けボーリングなどもしていたおかげで、アベレージは150くらい。ハイスコアは222だ。これなら負けることは無い

え?手加減?何それ?勝負なら全力でぶっころだ


3ゲームで入り、靴やボールも準備してミヨキチが軽く準備運動を始めるころ

俺はガチで柔軟を開始する。筋肉痛怖い。アキレス腱とか千切れたくない

というよりも昨日の体育祭で結構走ったのにまだ筋肉痛が来てない。怖い

俺おっさんやん


「じゃあ、まず1ゲームは軽くージュース奢りにしましょう!!」


あっ、罰ゲームが楽。素晴らしいぞ脳内ふんわりガールミヨキチ

テキーラとかスコア1点千円とかじゃない。素晴らしい

安月給でやるとあれ破産する。怖い


「いいぞー」


ジュースくらいなら幾らでも献上してやろう


「わたるさんってストレートタイプですかー?それともカーブタイプですかー?」


めっちゃドヤ顔ミヨキチ

多分、ミヨキチも相当うまいだろう

後攻を取れたのはでかい、賭けであれば全力でボッコボコにしないで初手で僅差で勝利が狙える。ミヨキチが想定以上に上手かったら土下座しよ


「サムレスだからカーブ系」


「…あれ?もしかしてわたるさんってボーリング得意だったり?」


「嗜む程度だな」


平均ちょい上くらいか

俺の空間転移もボーリングとか本気で使い物にならない

玉を飛ばしても2mが限界だし、慣性とか全て消えるし子供が滑り台で転がすより遅いカスみたいなもんだ

ほんと、この空間転移役立たねえなぁ、体育祭では役立ったけど…


「やってやろうじゃないですか!!」


第一ゲーム第一フレーム第一投

ミヨキチ


「えい!」


ミヨキチもサムレスらしく、カーブ軌道を描いてヘッド

スピードは無いが良いとこに入り、8ピン(スプリット)


「ええええぇえ!!!?」


7、10ピン残り、プロでもあまり取れない。拍手喝采である


「凄いぞミヨキチ!!」

「うるさいです!!」


良い所当たったのにとぶつくさ言いながら7ピンを倒しスコアは9

俺のターン


第一ゲーム第一フレーム第一投

ハラワタ

名前お互いに決めようとか言わなきゃ良かった…とりあえず、レーンコンディション確認


「そい」


良い感じ、ちゃんと塗ってある。ハウスボールだからボール2個分が限界だが丁度良くヘッドに着弾。角度も良かったのでそのままストライク


「いぇーい!」

「待って、わたるさん上手い!ちょっと待ってください!!」


強制ハイタッチ


第一ゲーム第九フレームスコア112ミヨキチ

第一ゲーム第九フレームスコア120ハラワタ

今日は調子が良くて絶妙に調整できた


「あとちょっと!あとちょっとで勝てたのにぃ!!」

「ドクペな」


第二ゲーム

罰ゲーム:ボーリング代奢り


「手加減無しでやりますからね!!」

「ははワロス」


第二ゲーム第九フレームスコア130ミヨキチ

第二ゲーム第九フレームスコア142ハラワタ

やはり調子が良い


「ああああああああ!!!最後にスプリットしなければぁああああ!!!」

「ボーリング代ごっちー」


最終第三ゲーム

罰ゲーム:この後の居酒屋奢り


「最後の最後で勝つのは私です!これまでは準備運動です!!」

「ははワロス」


最終第三ゲーム第九フレームスコア151ミヨキチ

最終第三ゲーム第九フレームスコア188ハラワタ

もう何も言うことがない。勝利の美酒が素晴らしいだろう

ジャスト150だ


「……安居酒屋で良いですよね?」

「近くに昼からやってて、食べ飲み放題3000円のとこあるぞ」

「………じゃあそこで」


そう、現在12:30

朝早く?から活動しているため、意外とまだ早い時間


めっちゃミヨキチが恨みを込めた目で睨み付けているが、しょうがない

だって、勝負だよ?俺男女差別しないから

流石に後輩であるミヨキチからそこまで金をせしめる訳にはいかないから、ちゃんと金は出すつもりだけど


「くぅぅぅ、あとちょっとだと思ったんだけどなぁ…ターキー取れなかったのでかいなぁ…うぅぅ給料日前なのに」


ゾンビみたいな足取りで独り言をぶつくさ言うミヨキチ


「二日酔い!!二日酔いだから負けたんです!次は万全の状態でやりましょう!!!圧勝します!」


ミヨキチ負けず嫌いなのな。意外


「いつでも受けてやるぞ。毎回ボーリング後の居酒屋無料とか最高だ」

「ちなみに、わたるさん平均スコアどれくらいですか?」


ボーリング場がビルの5階なのでエレベーターを召喚しつつ

柔軟を開始する。筋肉痛怖い。体育祭と相乗効果で怖い


「150ちょい」


「上手いじゃないですか!!!何してるんですか!!?ちゃんと言ってくださいよぉぉ!!」


せこいせこい言い始めるミヨキチ

だが、それも勝負なんだしょうがない


「飲んだ後カラオケで勝負しましょう」


え?…カラオケはきつい

俺大体83点くらい…90点なんて超えたことない

でも、勝負を仕掛けられて逃げる訳にもいかない


「…いいけど、ちなみにミヨキチ平均どんくらい?」


流行りの曲とかわからねぇし、中学とか高校くらいに聞いた曲しか覚えてないからあれだけど、有名な曲ばっかだしミヨキチならわかるだろう…多分


「90です」


「は?」


耳が一瞬遠くなったかな…おかしいなぁ


「平均90です!最高得点は98点です!」


え?1000点満点?

違うよな。普通100点だよね。え?敗北しかしないじゃん。え?お前どんだけ上手いの?え?え?


「かかってこいやぁ!!!」


勝負だから逃げる訳にもいかない

何故なら勝負だから、逃げたら男じゃない。初手でガヤ飛ばして笑かして罰ゲームでテキーラ飲ませて、喉潰せば勝てる!


ようやくエレベーターが到着する

とりあえず、運動後のお酒じゃーーー!!


「あっ!わたるせんせっ発見!!」

「おっ!!デートかデートかぁ!!!!?」

「……!?……原田先生こんにちは」

「二人で何やってるんですかぁ?」


エレベータにいたのは、麻倉舞、本田ほたる、北野裕子、そして体育祭の立役者大崎麻美であった

更に立花弘、山崎亮もいるらしい

あれ?君らカラオケオールしてなかったっけ?え?徹夜?30時間くらい稼働してない????君ら元気過ぎない????

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