31時間目。打ち上げ③


これ、どうしよう…

今現在いるのは、俺の家

そして隣で潰れてるのはミヨキチ…

なぜこうなった。いや、何故こうなったかは理解している


あの後、本田ほたるも合流し普通に時間まで食べて飲んで

解散ってなった時に、潰れているミヨキチがいた


麻倉舞含め生徒達から「2次会でカラオケオールいこーよー!!!」って誘われたが流石に2次会からは生徒の空間だから断り、ってかオールとか無理だし、飲み足りないからミヨキチと飲むかと思っていたが、こいつ潰れてやがる


酒のペースを間違えたらしい、普段一緒に飲んでるときは特に気にしてなかったが、今回は恐らくクラス優勝が嬉しくて歯止めがなくなったみたいだ


とりあえずミヨキチの家までタクシーで送ろうと思って持ち上げて外に出たが、一切起きない

頬を叩いても起きない

俺の最終兵器である「お客さん終点ですよー」も通じなかった。

家が分からないので、放置するのもあれなのでとりあえず家まで連れてきたわけだが…


「おい、ミヨキチ起きろ」


「zzz」


起きない

宅のみして潰れる友人もいるにはいるが、基本一人なので購入を控えてたため、客用の布団など無いわけなので、ベットに放り込んで廊下で寝ようかと思ったけど


「お前…吐かないよな。寝ゲロしないよな?」


「zzzzzzzz」


結構飲んでたし、それが怖い

こいつがゲロったら俺は一日以上布団を使えない

それは辛い


とりあえず、ミヨキチを床に降ろす

爆睡中だから起きやしない


流石に床に寝かせるわけにはいかないので、毛布を取り出して簀巻きにする

頭もクッションで保護

廊下からトイレはすぐ目の前

トイレの電気はつけておいて、念のためにビニール袋を2重にしたものを頭付近に置いて、寝ゲロった時の窒息が怖いので頭を強引に横にして準備完了

よし、風呂入って寝よ


=======================


「zzz」


「…寝すぎだアホ」


朝10時

今日は休日なので遅く起きたが、ミヨキチは寝ていた

よくこの環境で寝れるな

とりあえず、吐瀉物の痕跡はないから安心した。起こそう


「おい起きろ」


肩を少し揺さぶる

起きる気配なし


強く揺さぶる

起きる気配なし


こいつ朝弱いの?いいや、とりあえず朝飯作ろ

ミヨキチにはシジミの味噌汁でいいか。あとはおにぎり…より、こいつ水分補給してないから水っぽいもののがいいか。カレーメシでいいや


俺は普通に冷食のパスタでいいや


「うぅ気持ち悪いぃ…お母さーんみずぅ」


冷食をチンするタイミングで起きたようだ

俺はお母さんではないが、水は入れておこうか


「はーい、ミヨキチちゃんもってきたよー。水道水じゃなくて天然水だぞー」


「あ、ありがとうございます」


毛布をどけたミヨキチは身体を起こし、水を飲む

そして、周りを見渡す


「あれ?」


そのあと俺を見る。大体わかるその意味


「わたるさん?」


「潰れたミヨキチ。意識ない。家教えてくれない。寝ゲロ怖い。廊下で寝かせる。お前今起きたなう」


先制攻撃

俺はお前に何もしてないを強調、廊下で寝かせたという言い訳を言っておく


「…ええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇえぇぇえええぇぇぇえぇええ??????????????????????????????????????????????????????????????????????」


うるさい


「潰れたミヨキチ。意識ない。家教えてくれない。寝ゲロ怖い。廊下で寝かせる。お前今起きたなう」


「…え?えっと」


ミヨキチは自分の身体を確認して、あれした形式が無いかを確認する

これは当然だ。ミヨキチは正直可愛い。脳内ふんわりガールだけど可愛い。そんな女の子が男の家で起きるとなったらそれの行為を確認するのは必要だ


「潰れたミヨキチ。意識ない。家教えてくれない。寝ゲロ怖い。廊下で寝かせる。お前今起きたOK?」


だが、何もしてないのに変に言われるのもごめんである

ので繰り返す


「お…OK」


「ほい、シジミの味噌汁」


「え?あ、ありがとうございます」


一人暮らしの正義であるケトルさんからお湯を出して味噌汁を提供

俺はテーブルまで戻って冷食パスタを食う


「えーと?」


「潰れたミヨキチ。意識ない。家教えてくれない。寝ゲロ怖い。廊下で寝かせる。今【ようやく】起きる。シジミの味噌汁飲んでる。」


「…あー、すいません。クラス優勝が嬉しくて佐助で飲み過ぎましたね。味噌汁美味しいです」


味噌汁飲みながら対面に座るミヨキチ

とりあえず水は飲み切っているようなので、おかわりを注いでおく


「とりあえずさ、さっきの寝言を聞いて思ったんだが、両親に連絡ってしてんの?」


「!!!!!!?」


シジミさんで意識がハッキリしてきたのか、携帯を取り出す

そして、その画面を見てミヨキチは凄い量の汗をかく


「……連絡してきます」


きっと箱入りだったんだろうな。電話を掛けながら外に出る

ミヨキチは外に出ている。だが、ここ壁薄いのよ

聞こえるのよ


酔いつぶれたとか

彼氏とかいないしとか

同僚の家に泊まらせてもらったとか


とりあえずカレーメシをかき混ぜておこうか

あとは…やっぱ足りないかもしれないから冷食のから揚げでもチンしておこう

カレーにから揚げは正義


「すいません。お騒がせしましたー。ご飯食べたら出ますね。ここってどこらへんですか?」


座りながら用意したカレーメシを食べ始める

あっから揚げ!と喜ぶミヨキチを見て少し嬉しい。やはりから揚げは偉大だ


「あー、ちょっと待ってろ」


携帯で最寄駅までのルートを調べて画面を見せる


「あー、ここですか。家からちょっと遠いですね。まぁ散歩しながら帰ります」


「はいよー」


今昼前か、どうしようか

服でも買いに行くかなー


「あっ、良かったらついでに今日どっか遊びに行きませんか?」


急なお誘いだが、ついでなので丁度いい

んー、まぁいいか。たまには遊びに行くのも良いだろう


「いいぞー、そしたら風呂入るか?」


「…?」


「女性なら風呂入ってないで遊びにいくの抵抗あるだろ。ドライヤーはあるぞ」


バスタオルは新品無いからあれだけど


「あー、ちょっと待ってくださいね」


カバンを漁り始めるミヨキチ

色々と物色して色々と取り出すと、一つ頷き


「お風呂借ります!」


「はいよー、よくある旅館タイプで温度設定してシャワーでるやつ。バスタオルは…」


タンスに向かって、客人用のバスタオルを取り出してミヨキチに放り投げる


「それ使ってくれ、使い終わったら洗濯機ぶっこんどいて、下着は無いから悪いな」


「えっとーありがとうございます?何か慣れてますね?」


「馬鹿どもで慣れてるからな」


自慢じゃないが酒飲みとして、介抱するのは得意分野である

友人達ならもっと酷い

吐瀉物も俺が処理するし、朝飯どころか昼飯すら催促されるわ、お前は床で寝ろーーーと言ってきてベットも占領されるし……


というか、うるさくし過ぎて大家さんからイエローカード貰ってんだよなぁ

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