19時間目。雄太郎との飲みの前の事件


大崎麻美に関しては一言で言うならぶっころ

具体的に言えば、生徒指導室に連れてって只々説教。本当に説教

もう、パワハラとかそういうの関係なしに説教

こういった事例から起こってしまった事象などを事細かに説明し、本当に今回のは笑い話にはならないという話をした


物凄く泣きそうになってちゃんとごめんさないをしたのを見てから、成績が悪いとか授業態度が悪いとか秘めていた鬱憤もついでに説教しといた

これでなんとかなるよな?最後に凄い泣きそうながらも怪しげな笑みを浮かべたのが凄い気になったが、まぁ…きっと大丈夫だろう…多分

駄目だったらもっかい説教だ、子供は雑草のように踏まれて育つ。その後に何故か雑草がそれぞれにあった花に変化するという特別性だ。大崎麻美はひたすら踏もう

ポテンシャルは凄い良さそうな感じなんだけどな


さて、そんなこんなで説教後の放課後

本日は男子バレーのお願いを聞いたので、その対価として雄太郎から居酒屋奢りをゲットであり、そのゲットした代償を支払ってもらう日である

雄太郎から一度で3人でもいいよね?その方が俺の財布が助かるとか言ったので俺と雄太郎とミヨキチの3人で飲むことになった

しかし、やつは一つ過ちを犯した


そう、店を俺に選ばせたことだ

奴は俺が選ぶならいつも通りに安いところだと思ったのかもしれないが、せっかくの奢り

少しね?

少しだけね!?

ちょっとお高いとこ行ってもいいよね!!?

まぁそんな料亭とかじゃないからね。いいよね。ちょっとだけ単価6000円くらいのとこくらいね。

うん、普段3000円、いいことあっても4000円くらいだ、なので6000円ってとこだ

それくらいなら許されるよね?


「というわけでどうだろう?」


「え?私ですか?」


一緒に行くから当たり前だろう

これで相談したし、お前も共犯だからなミヨキチ


「ありですね!電車で2駅くらいに美味しい日本酒置いてるところあるんですよ!!」


「お?日本酒良いな!なんて銘柄?獺祭でも5割だと別にそこまで高まらないからな」


獺祭はとてもいい

しかし、5割ならそこまで惹かれない

何故ならお高い所だからだ!!安いところであると嬉しい!大事なのはコスパ!!

せめて3割9分からかな


「なんとですね!14代があるんです!」


「よし、飲み行こう」


14代はやばい、日本酒大好きならわかる人もいるがやばい

さぁ急ごう。美味しい日本酒が俺らを待っている


「しかも七垂二十貫なんです!!!」


「よし、飲み行こう!!!何してる!!?急ぐぞ!!時間は無いぞ!!」


駄目だ

七垂二十貫はダメだ…一回飲んだことあるけどあれはやばい

日本酒という概念を超えている

個人的にはKing Of King

最高の日本酒である…ただ、高い。安くて半合1000円とかじゃないかなコスパとしては最高である

本当に最高だ


「五十嵐先生まだ部活中なんですけど…」


「部活終わったら来させるようにしよう!!ほら!!ほら早く!!!」


急かす

めっちゃ急かす

カタカタ何か日報書いてるミヨキチをひたすら急かす


はよ、はよ、はよ!!

もっと速く!!どこまでも速く!!!


「あーわたるせんせ発見!!今日ひま?」


「無理、忙しい」


「パソコンも電源切ってるしもう帰るんじゃないの!?」


「この後予定があるから忙しい」


「えっと、ちょっと聞きたいことがあったんですけど…えっと、でも予定があるなら」


「よし、わかった聞くぞどうした北野裕子」


職員室にやってきたのは麻倉舞と北野裕子である

麻倉舞はいつも通りにテキトウに流せば問題ないが、北野裕子であればちゃんとした用事である

それを聞くのは教師としての役割だ


「まいと温度差ちがくなーい!?文句!文句!!」


「というか下校時間だぞそろそろ」


ぶーたれてるのは一回無視である

というか、今下校時間だから帰ってくれるのが一番嬉しいのだが、ここまで残ってるのも珍しい

二人とも部活入ってないよな


「今日の授業で、ちょっと紐付けれないところがあって…あはは、ちょっと勉強遅れてしまったので取り戻さないとって」


もともとは成績優秀

本当に優秀。何故か麻倉舞とかも成績が良いのが意外だが、北野裕子は学年でも上から数えたら両手で収まる程度の上である

しかし、入院により少し遅れてしまっているようだ

その遅れを本人が取り戻したいというなら、それは教師が手を差し伸べるべき案件だ


雄太郎が部活終わるまでは恐らく2時間ほど

あいつはちゃんと最後まで居残るからそれくらいだろう

参加は20時ってとこか


「えーと、えーと」


お酒は飲みたい…しかも奢り

けど、生徒の勉強を見るのは教師として絶対


今のところ考える方法は2つほど

指を一本立てる


「1つ、この後居酒屋で飲むから、それで雄太郎が来るまで勉強を教える」


「いや!生徒を居酒屋って!!大丈夫なんですか!!?」


そう、ミヨキチの言うことは正しい。必死に日報を書いているみたいだが、その突っ込みだけは頑張ったみたいだ

凄く正しい

もう一本指を立てる


「2つめ、土日限定で家庭教師する。ただ、それは他の生徒との平等性が欠けるから遅れを取り戻すだけの一時的なやつな」


バランス考えるとこれくらいなら良いだろう

放課後は疲れてるから、家帰って飲みたい

逆に土日はあんまり予定入ってないから、問題なし。問題なのは土日の生徒の時間を使ってしまうのは忍びない


「1つ目で行こぉう!!!お酒は飲まないけど最近はJKでも居酒屋行くことあるんだよー!!!!」


お前に聞いてないぞ麻倉舞


「え?マジで!?」


しかし、最近の女子高生って居酒屋行くもんなのか

初めて知った

そこらへんも勉強せねば


「えっと…ふ……すみません、1つ目で。土日だと原田先生のプライベートな時間も使っちゃいますからね。居酒屋はちょっと緊張しますけど…」


絶対居酒屋とか入ったことないよな北野裕子は


「まいは居酒屋何回かいったからプロだよー!!」


聞き捨てならないぞその言葉

本当に酒飲んでないよな?

本田ほたるにならアイアンクローをかますが、麻倉舞にするのはなんか忍びない?忍びないっていうかなんというか

やっていいキャラとやっちゃいけないキャラがあるみたいな…


「本当に酒飲んでないよなぁ!!?」


いやね、俺も酒は未成年から飲んでたからさ、何も言えないけど生徒が飲んでるとなると話は別だよな


「原田先生…職員室でうるさいですよ?」


坂上先生ごめんなさい

怖いです

僕のせい…ですね。はい、申し訳ありません。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る