4時間目。お昼休み
いつも通りに、何事もなく授業が進めて気付けばお昼の時間だ
朝ごはんを抜いていただけに、お腹が減りすぎてやばい
授業中にもかかわらず、何回もお腹が鳴ってしまうのはやめてほしい。鳴りそうだと判断した瞬間にテンション上げて大きな声で説明をして誤魔化していたが、最前の生徒はたまに笑っていたので聞こえてたんだろうなぁ
お昼は基本社食、というか学食だ
コスパ最強。ただただそれに尽きる。朝起きて自炊するのもきついし、コンビニも意外と値段が高くなる。
ああああ学校の学食のうどん(並)は、なんと210円
めっちゃくちゃ安い!!!!!!
味的にも普通、量も普通、そして210円!!そばも210円!!
うどん!そば!うどん!そば!うどんのローテーションで例えれば、一週間の昼飯が1050円である
一か月で換算しても4500円前後だ
そして、学食は何といってもおばちゃんが正義
おばちゃんと仲良くなることで、(並)が(大盛)になる。まぁ、仲良くなるためには必殺技を使う必要があるが
「あーお姉さん!!ラーメン並ください!気持ち多めで!!」
これぞ必殺技
おばちゃんをお姉さんと呼ぶ
それだけで、気持ちマシマシになるのである
「あら~原田先生!もー上手いんだから~若いんだからいっぱい食べなさいね!!」
なんということでしょうー
通常の醤油ラーメン(並)250円が
チャーシュー1枚→5枚
海苔2枚→10枚
麺1玉→2玉
もやし0本→推定200g
に早変わりですー
「ありがとうございます!!!頑張ります!!」
学食のおばちゃん良い人
テキトウに空いている席を探して座り、手と手を合わせていただきます
超特盛ラーメンを食べる
一口麺を啜る
うん、普通
いつも通りに普通
でも昼ご飯は質より量って気持ち大事
「あっ、わたるせんせっ!隣座るねー!!」
「ん?麻倉舞か、いいぞ」
日替わり定食のトレイを持った麻倉舞が隣に座る
最近ウチのクラスの子と食べる機会が多くなってきた。これは中々コミュニケーションが取れている証拠ではないか?
多分、歳が比較的近いから友人とみられてるのかもしれないが、俺教師だからね
「今日も超大盛じゃん!わたるせんせーよく食べるよねー」
日替わり定食でも種類はあって、ギャルである麻倉舞はレディース定食(380円)を選んだらしい
いかにもヘルシーな感じで、ちょっとしたデザートがついている
「おばちゃんと仲良くすると盛ってくれるんだよ、麻倉舞は成長期なんだからもっと食えばいいんじゃないか?」
「おばちゃんとかぁ!けど多くなっても困るよー!まい、ダイエット中ー!」
はい、出ました
痩せてるのに体重気にしてダイエットとか言う人類種
花の女子高生であるから気にするものなのか
「あれ?本田ほたるはどうしたんだ?」
いつも基本的に3人セット、今は一人入院中なのだが
朝倉舞と本田ほたるは中学からの仲らしい
「ほたるちゃん現在告白タイム中だから、先に食べてるー」
「ゴッフゥゥ!!!!」
麺が鼻の奥に!
啜ってる時に吹き出すとは麺食べ歴22年としては不覚にも程がある
しかし、鼻から麺は出ていないのでセーフ!少し鼻をすすり、奥の麺を落とす・・・死ぬかと思った
にこやかに笑いながら唐突の大ニュースに、思わず吹き出してしまった
もはやそれ密告レベルじゃないのか?教師に言っていいの?
「・・・そうなのか」
「そーだよー!ってかわたるせんせー大丈夫?いきなり吹いてウケる!」
止めなさい。忘れなさい。
教師の俺のカッコイイ大人な背中を覚えておきなさい
「しかし、本田ほたるは誰に告白してるんだ?」
本田ほたると朝倉舞の2人セットは学年でもトップ30~20くらいに入るレベルで可愛らしい容姿をしている
そこまでギャルギャルしてないし、コミュニケーションも上手い
結構モテるほうだと思ったが、誰が射止めたんだ?ウチの子はやらんぞ!!
「へ?」
「ん?」
「ふ?」
「ん?」
「ほ?」
「んん?」
噛み合ってないらしい
「へんふんほんんだって!何言ってんのせんせー!!」
何にウケてるのかこいつは
ってかお前も言ったよな?ってか俺はんしか言ってないんだからな
まぁ理解した
「つまり、告白されてるのか」
「そだよー!2回しか話したことないのに付き合うとか無理!!って言ってたからそろそろ戻ってくるんじゃないかな?」
oh......
それは・・・告白した男子
ドンマイだ
恐らく既に振られたと思われる名前も知らない男子生徒にご冥福をお祈りしまーす
「ウチのクラスの謙吾君なんだー」
ウチのクラスかよぉぉぉぉぉ!!!
今井謙吾ぉぉぉ!!(いまい けんご)
昼休み明け授業俺じゃん!気まずいだろうがぁ!!
ってかお前4月の時の自己紹介で2次元しか愛さないって言ってなかったか!?変わり身早くないか!!?
「舞ちゃんただいまー!わたる先生もやっほー!!」
ご帰還なされた
一人の男を殺した悪女が
「よう、本田ほたる」
「ほたるちゃんもレディース定食だ!一緒一緒!!」
いや、別に悪女ではないな
騙した訳でもないし
普通に告白されて振っただけだし
今井健吾も何故2回話しただけでいけると思ったんだよ。もうちょっと段階踏めよ
「どうだったー?」
「普通に断ったよー、流石に連絡先も知らないし、2回くらいしか話してないのに告白されても無理だよ」
俺はここにいたらいけない気がする
今井健吾に同情か哀れみの目を向けてしまう気がする
飯も食ったし行くか
手と手を合わせてご馳走様でしたっと
「えー!わたるせんせーもう行くのー?」
「私座ったばっかだよ!そんなに私が嫌いなの?およよよよ・・・」
小芝居を始めるな本田ほたるよ
せめて箸を止めなさい
朝倉舞よ、腕を揺らすな
スープは飲みきらないタイプだから、器からスープがこぼれるんだよ
「食後はタバコ休憩だ」
一瞬で腕から手を離す朝倉舞
「せんせー健康に悪いよー!やめろやめろー」
「うっ・・・」
頼む!もういいじゃないか!!喫煙者を虐めないでくれ!!
せめてマナー守ってるんだから許してくれ
「そうだそうだ!タバコは臭いぞ!!先生臭いぞ!!!」
「23回小腸抉るぞ」
ただし本田ほたるお前はダメだ
俺は臭くない。タバコ吸った後はタバコ臭いかもしれないが、今の俺は臭くないはずだ
失礼だぞ
「怖っ!普通に怖いよ!!」
「女子高生二人のスメルより、タバコがいいってへんたーい!!」
逆の方が変態じゃないのか朝倉舞よ
あと物凄くいい笑顔でスメルとか言うんじゃありません!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます