この作品は、一体なんていうジャンルなのでしょうか…。
こんなの初めて!って、何度も思いました。
こんなに熱い気持ちでバトルを観戦……いえ、小説とは思えないほどの臨場感で、バトルを体験したんです。
近未来の東京で繰り広げられたのは、世界初のMR体験型バトルゲーム。
eスポーツのプレイなんて生やさしいものではなく、疑似痛覚まで発動して生死を掛けての戦いが行われます。
私のレビューでは到底書き切れないバトルシーンやおぞましい敵の描写は、本当に本当に怖いほど! 表現力が半端ではなくて、感嘆の一言です。
作者さんの男らしい感性や強い思いが全てここに凝縮されて、見事な世界観が広がっていました。。
もう、追随を許さないクオリティーの作品だと思います。
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ゲームの小説ですが、女性の皆様にもぜひお読み頂きたいです。
なぜなら、主人公・神薙くんの男気溢れる格好良さにキュンってなること間違いなしだからです♪
文章力の凄さは、もうここでは書かなくてもいいですよね?
だって優れた文章だというのは、1ページを開いて頂ければ誰にだってすぐにわかることですから!
複合現実・ジェニュエン。街一つをバトルフィールドとして、プレイヤー同士が命懸けのゲームを行う。そんな物騒極まりないゲームが、日常のeスポーツとして受け入れ等ている世界で、主人公たちは生活している。ジェニュエンではゲーム内の死が現実の死と結びつく。それだけでなく、痛覚さえ現実のものとなる。そしてその死を回避するための行動が、アンダードッグと呼ばれる屈辱的な命乞いだ。しかし、アンダードッグをしても、攻撃を止めず、相手を殺すゲーム参加者もいた。主人公たちの敵もそうだった。
一方、現実の町一つがバトルフィールドとなるため、不参加の人々は町から出て、旅行などを楽しんでいた。主人公の彼女もそうだった。彼女は主人公が危険なゲームの参加者であることを知らない。しかし、彼女の乗ったバスが何者かによってバスジャックされ、強制的にジェニュエンに参加され、「獲物」にされてしまう。
主人公は仲間と共に「獲物」にされた人々を救うことができるのか?
非参加者を参加させた者は一体何者か? その目的とは?
是非、ご一読ください!
いわゆるVRMMO物のSF作品です。
対人戦をメインに据えた近未来VRゲームが舞台の物語で、取り分け戦闘関連の描写は「これぞゲーム小説!」と唸らされること請け合い。
また、この種のWeb小説としては、おそらくかなり仮想空間と現実世界の関係性が密接に描かれているタイプの作品かと思われます。両方の世界で起きた出来事が相互にリンクする展開には、思わずハラハラさせられる場面も。
それにしても、作中にはかなり様々な固有名詞とそれに付随する設定が登場するのですが、これを作者さんはひとつひとつ考案してネーミングしていったのか……
と考えると、その労力が偲ばれます。力作と言わざるを得ません。